レスリング男子フリースタイル61キロ級・小柳、残り4秒で世界切符決めた

スポーツ報知
金メダルを胸に笑顔の小柳

◆レスリング 全日本選抜選手権(10月・ブダペスト)

 レスリングの世界選手権(10月・ブダペスト)の代表選考会を兼ねた全日本選抜選手権が14日、東京・駒沢体育館で開幕。同日行われた男子フリースタイル61キロ級で、韮崎工高OBで今春、山梨学院大を卒業した小柳和也(22)=自衛隊=が初優勝し、初の世界選手権代表を決めた。同70キロ級の乙黒圭祐(山梨学院大4年)は決勝を負傷棄権し、2位に終わった。

 有本伸吾(24)=近大職=との決勝。小柳は8―8の同点で迎えたラスト4秒、相手の上半身をとらえ、豪快な反り投げを決めた。「体が勝手に動いた」。下半身を使っての攻防ができないグレコローマンで使う技を瞬時に繰りだし、決着をつけ、昨年12月の全日本選手権に続く栄冠をつかんだ。

 初の頂点に導いてくれたのは、韮崎工高時代に取り組んだグレコローマンで鍛えた技だ。自衛隊体育学校で小柳を指導するロンドン五輪金メダリストで韮崎工高OBの米満達弘氏(31)も「グレコをやってきた彼だからできた技ですね」と後輩の成長に目を細めた。

 高校の同期で、昨年のグレコローマン59キロ級世界選手権覇者の文田健一郎(22)=ミキハウス=は左膝のけがで今大会を欠場し、世界選手権の連覇も消えた。「自分も優勝して文田に追いつきたい」と小柳。盟友とそろっての東京五輪金メダルを目標に、22歳は高みを目指す。

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