トヨタ、ルマン悲願の初優勝!“オール日本”態勢では初

スポーツ報知

 伝統の自動車耐久レース、第86回ルマン24時間の決勝は17日、フランス西部のサルテサーキット(1周約13・6キロ)で行われ、8号車トヨタ(セバスチャン・ブエミ/中嶋一貴/フェルナンド・アロンソ)が悲願の初優勝を果たした。日本チームが日本車、日本人ドライバーを含む“オール日本”で勝つのは初めてで、日本メーカーとしては1991年のマツダ以来2度目。トヨタは1985年の初挑戦以来20度目の挑戦で偉業を成し遂げた。

過去5度2位20度目挑戦で ついに日本人が86度目を数える伝統のレースでトップチェッカーとなった。中嶋は「ちょっと時間がかかりすぎたけど、悲願を達成できて良かった。チーム全員に感謝している」と胸を張った。トヨタが初参戦した1985年に生まれた中嶋が、日本の底力を示した。

 トヨタが世界耐久選手権シリーズに復帰した12年シーズンから参戦。ルマンでは16年にはトップを走りながら、優勝目前の残り3分でマシントラブルに泣くなど苦い経験を重ねてきた。「一番勝ちたいレース。嫌な思いはもう十分」と臨んだ今大会で結果を残した。

 F1に比べて耐久レースは、ドライバーの技術より自動車の優秀性が問われる。今回が20度目の挑戦となったトヨタは、過去5度も2位に甘んじてきた。アウディ、ポルシェの相次ぐ撤退で優位な状況ではあったが、2台がリタイアした昨年の反省から部品を一つ一つ見直し、勝てる車を整えた。中嶋らの8号車に続き2位に入った7号車の小林可夢偉は「両方ともトラブルなく終えられた。トヨタは素晴らしい仕事をした」と言い切った。オールジャパンの力を結集し、ついに頂点に上り詰めた。

 ◆ルマン24時間 フランス西部のルマンで行われる伝統の自動車耐久レースで、F1のモナコ・グランプリ、インディカー・シリーズのインディアナポリス500マイル(インディ500)と並び、世界3大レースの1つと称される。1923年に始まり、第2次世界大戦などによる中断を挟み、今年で86回目。公道部分と常設サーキットを組み合わせた1周約13・6キロの特設コースをドライバーが交代しながら24時間走る。過去の最多優勝はポルシェの19度。ドライバーはトム・クリステンセン(デンマーク)の9度。2012年に始まった世界耐久選手権(WEC)に組み込まれている。

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