山県、10秒05で5年ぶり日本一!アジア大会内定「最高にうれしい」

スポーツ報知
男子100メートル決勝で優勝した山県(手前、右端は3位の桐生祥秀、右から2人目は2位のケンブリッジ飛鳥)

◆ジャカルタ・アジア大会選考会・陸上日本選手権第2日(23日、山口・維新みらいふスタジアム)

 男子100メートル決勝で、16年リオ五輪400メートルリレー銀メダルの山県亮太(26)=セイコー=が大会記録に並ぶ10秒05(追い風0・6メートル)で5年ぶりに優勝し、8月のジャカルタ・アジア大会代表に内定した。ケンブリッジ飛鳥(25)=ナイキ=が10秒14の2位で続き、残り1枠の代表に選出が確実。日本記録保持者の桐生祥秀(22)=日本生命=は10秒16の3位で、同種目の代表落選が確実となった。アジア大会代表は選考を経て25日に正式発表される。

 山県はゴールしか見えなかった。「中盤で抜け出しているのが分かった。勝てるかな―」。桐生も、ケンブリッジも、多田も、最後まで視界に入らなかった。自己ベスト10秒00には届かなかったが、サニブラウンが持つ大会記録に並ぶ好タイムで、5年ぶりの日本一。6位でロンドン世陸切符を逃した昨年大会以降、対日本人選手の不敗神話も継続した。「今までで一番タフなレースだった。最高にうれしい」と爽やかに汗を拭った。

 10秒19と伸び悩んだ準決勝から、変えたのは「目線」だけだ。ヒントは19日の練習にあった。60メートル走を2本。走りに集中できた方のタイムが、0秒1良かったのを思い出した。集中の差はなぜ生まれたか―。「集中は、目線(の違い)だと思った。どれだけ走るレーンだけを見れるかが大事」と山県は解を導いた。決勝は周囲を気にせず幅1メートル22センチのレーンだけを見つめて走った。準決勝から0秒14も記録を向上。“神は細部に宿る”を体現した完全勝利だった。

 アジア大会は、100メートルと400メートルリレー2種目で表彰台に挑む。ライバル・中国の蘇炳添が、22日にアジアタイの9秒91。謝震業も19日に9秒97を出した。「次はアジア1を目指す」。海外勢との競争に、胸が高鳴っている。(細野 友司)

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