【青戸慎司の目】飯塚は焦らず“戦国時代”勝ち切った

スポーツ報知
男子200メートル決勝で優勝した飯塚(手前、奥は4位の桐生=カメラ・渡辺 了文)

◆ジャカルタ・アジア大会選考会・陸上日本選手権最終日(24日、山口・維新みらいふスタジアム)

 男子200メートル決勝で、2016年リオ五輪400メートルリレー銀メダルの飯塚翔太(27)=ミズノ=が20秒34で2年ぶり3度目の優勝を果たし、8月のジャカルタ・アジア大会代表に内定した。

 飯塚君は前半で焦らず、後半で勝ち切る展開が見事だった。日中の気温が30度超。気温変動もあって調整も難しい中、しっかり対応した。スピードがついてきて、あとは再現性があればさらに良い。200メートル19秒台、そして100メートルの9秒台さえも視野に入るスケールの選手だと思っている。常にモチベーションを持って、高みを目指して欲しい。

 今大会で改めて短距離の“戦国時代”を実感した。小池君も良いし、200メートルの山下、犬塚ら大学生も出てきている。桐生君は個人種目で代表入りが難しくなったが、20年東京五輪に向けて、社会人1年目の厳しさや難しさを知ったことをプラスに考えたい。

 8月のアジア大会では、まずメダルが大事。中国勢も9秒台の蘇炳添や謝震業らが力をつけている。アジアを制することが、今後のステップアップにもつながる。(元100メートル日本記録保持者、中京大監督)

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