関大、見えた初V…全日本大学女子駅伝28日号砲

スポーツ報知
厳しい合宿を経験して心身共に鍛え上げ、好成績を狙う関大の選手たち(カメラ・豊田 秀一)

 関大が「杜(もり)の都」で新たな歴史を作る。第36回全日本大学女子駅伝対校選手権大会(報知新聞社など後援)は、28日に仙台市で6区間、38キロを26の大学、オープン参加の選抜チームが参加して行われる。昨年初めて5位に躍進し、シード権を得た関大は、昨年の全メンバーが残った上、さらに有望な新戦力も加わった。頂点を目指す長期計画の終盤を迎え、昨年以上の好成績を狙う。

 全国一の座が、見える位置までたどり着いた。5位にステップアップした昨年。関大陸上競技部の駅伝を率いて11年目になる武田夏実監督は「中期の計画を立てた来年が最終年。今年は優勝に絡みたいと思います」と、昨年のメンバーがすべて残り、部員23人の団結力に自信を示した。

 今夏、3度の合宿を敢行。アップダウンのある土の坂道で足腰を鍛えてきた成果が上がりつつある。さらに綿密なメンタルトレーニングが大きな武器だ。仙台のコースを走って自分なりの地図を描き、高低差や目印など独自の感想を書き記したデータを、選手は10年以上も書き込み続け、今の部員も引き継いできた。先日はコースを試走してきたばかり。「この大事なイメージがあるから、不安がなくなるんです。実際に今年も仙台を走ってみて、気が引き締まりました」と、高野主将が満足そうに話した。

 さらに部員をメンタル班、筋力トレーニング班、データ班、栄養班に分け、リーダーが必ず1週間に一度、厳しくチェックする。レース前には必ず心身をリラックスさせる曲も聞く。このルーチンが飛躍の土台にもなっている。

 1年生の柳谷は、大阪で勝てなかった大阪薫英女学院高の先輩を目指し、関大の門をたたいた。「環境もすごく整っていて、ウェートトレで腕やふくらはぎも、筋力がつきました。どの区間になっても自信はあります。応援してくれる皆さんに元気を与えられる走りを見せたいです」と意気込む。

 渡辺は高校駅伝の名門、大阪薫英女学院高出身だが、1、3年の全国V時、メンバーには入っていなかった。「走って優勝したいんです。文武両道を目指し、今年は徐々に調子が上がってきたので楽しみです」と上を見据えた。女王を目指す関大の真の挑戦が始まる。

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