【箱根駅伝】山学大・上田監督「走らせてあげたかった」オムワンバの献身に男泣き

2016年1月3日6時0分  スポーツ報知

 ◆第92回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝=報知新聞社後援)(2日、東京・読売新聞東京本社前―芦ノ湖、5区間=107・5キロ)

 前回総合9位の山梨学院大は、2区を走ったドミニク・ニャイロ(1年)が区間2位と好走するなど上位でたすきをつなぎ、4位でゴール。前回の往路13位から大きく順位を上げ、目標の表彰台を狙える位置につけた。最後の箱根で出場がかなわなかったエノック・オムワンバ(4年)は、サポートメンバーとして参加。上田誠仁監督(56)は、エースの献身を涙声で称賛した。

 まな弟子を思い、指揮官が頬を濡らした。「本当は…、…本当に走らせてあげたかった」。秘めた思いを吐きだすと、静かに涙をぬぐった。

 1年生の時、2区で12人抜きの快走(区間2位)を見せ、一躍、その名を箱根路にとどろかせたケニア人留学生のオムワンバ。だが、成長を見せた2年時は、2区でまさかの途中棄権。前回は故障で当日に欠場が決まった。「最後のレース、絶対走りたい」と最後まで強い意欲で練習に臨んでいたが、夏に右ひざを痛めた影響が残った。「ニャイロのほうがいい状態だった」と指揮官。オムワンバの熱意を感じながらも、先月29日の区間登録では、同じケニア人留学生のニャイロを2区に入れた。規定により、外国人選手が走れるのは1人だけ。上田監督は「オムワンバは今日まで、弟分のニャイロの面倒を本当によく見てくれた。駅伝はチームプレーだということを見せてくれたことがうれしい」を表情を緩めた。

 オムワンバは前日夜からニャイロと同じ部屋に泊まり、中継所にも同行。準備を手伝い、本来、自分が走ることになったかもしれない2区へ後輩を送り出した。「ニャイロは最初から飛ばさないように、と言ったけどやっぱり飛ばしてたね。だから最後(ペースが)落ちた」と振り返ったオムワンバ。「でも、いい走りをしてくれた。出られなかったのは残念だけど(自分は)故障なくここまでできていたので悔しくはない」。1年生の自分と同じ区間2位に入った後輩をねぎらった。

 卒業後は、三菱日立パワーシステムズ長崎に進み、競技を続ける。「まずは1500メートルと5000メートル。今度はトラックで五輪をめざしたい」とオムワンバ。新しい舞台で、再び頂点をめざす。(大津 紀子)

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