【箱根への道】もう1つの早明戦!10年目迎えた箱根伝統校の春の合同合宿

2017年3月15日10時0分  スポーツ報知
  • 合同合宿のトラック練習で競い合う早明ランナー(先頭から明大・坂口、早大・安井、太田、明大・阿部)
  • 合同合宿でスタッフ陣の協力は欠かせない(左から明大・桜井主務、早大・井上マネジャー)

 恒例の早大&明大合同合宿が千葉・鴨川市で9~16日まで行われている(早大は単独で18日まで)。1920年の第1回箱根駅伝に出場した伝統校同士が、この時期にタッグを結成して10年目。今年の箱根駅伝3位・早大と同18位・明大は、互いに競い合ってレベルアップを図る。究極の目標はWとMの優勝争いだ。

 ピリッと引き締まった雰囲気は練習よりもレースに近い。400メートル15本のインターバル走、起伏の激しいコースの25キロロード走。早大と明大の選手が各グループに入り乱れて競い合う。

 「必ず設定タイムより速くなるので、いい練習ができる。故障にだけ気をつけています」と早大・相楽豊監督(36)。明大の西弘美監督(64)は「今年の箱根駅伝で早大は3位、明大は18位だった。その差が何なのか。一人ひとりが感じ取ってほしい。それは私も同じ」と表情を引き締める。

 鴨川市の早大セミナーハウスを拠点に両校の合同合宿が始まったのは2008年春。当時の早大・渡辺康幸監督(43)=現住友電工=と西監督が懇意にしていたため“早明タッグ”が結成された。その以前、早大は08年こそ2位と健闘したが、03~06年は4年連続でシード権(10位以内)を逃すなど苦戦。明大に至っては08年は本戦に出場することもできなかった。合同合宿の開始以降、早大は10年度に学生駅伝3冠を達成、明大は12年に49年ぶりにトップ3に食い込むなど両校とも右肩上がりで成長した。

 しかし、今年の箱根路ではともに不本意な成績に終わった。3位の早大は前年の4位より順位を上げたが、目標はあくまで優勝だった。「特に復路の9位は危機感を持たなければいけない」と安井雄一主将(3年)は厳しい表情で話す。一方の明大はもっと苦しい。18位に沈み、2年連続でシード権を逃した。体調不良のため「つなぎ区間」の10区に回りながら区間13位と苦戦したエース格の坂口裕之(2年)は「結局は力不足だった」と率直に言う。両校とも再び上昇気流に乗るために10年目の合同合宿が持つ意味は大きい。

 練習は1日3回。早朝、午前、午後で計50キロ以上を走る日もある。早大を率いる安井は「競技面だけではなく生活面でも明大を上回ろう」とチームメートを鼓舞。明大の坂口は「来年の箱根はチーム全員が(エース区間の)2区を走る、という責任感を持って取り組んでいます」と話す。

 臙脂(えんじ)のWと紫紺のM。正式名称の「競走部」は伝統校ならではの特徴で、いずれも創部から1世紀を超える歴史を持つ。4校で行われた1920年の第1回大会に出場。東京高等師範学校(現筑波大)、慶大とともに「オリジナル4」と呼ばれる。「新年度のチーム目標は箱根優勝」(早大・安井)。「どんな状況であっても箱根優勝を目指す。それによってチームのムードが上がってくる」(明大・坂口)。両校の目標はあくまで頂点だ。

 箱根駅伝の黎明(れいめい)期、早明はワンツーフィニッシュを5回も演じたが、49年の第25回大会を最後に長らく遠ざかっている。オールドファン待望のV争いを実現するために早明の若いランナーはともに今日も走る。(竹内 達朗)

 ◆食事入浴も一緒再会同級生も

 食事や入浴も一緒。オフの時間の過ごし方も合同合宿の妙味だ。広島・世羅高時代の同級生で15年の全国高校駅伝を史上最速タイムで制した早大・新迫志希、明大・中島大就(ともに1年)は約1年ぶりに一緒に過ごす日々を漫才コンビのように軽妙に語り合った。

 中島「合同練習はいい刺激になる。やっぱり楽しい」

 新迫「懐かしい感じ。でも、別に刺激を受けるということはない」

 中島「新迫はツンデレだから。本当はうれしいくせに。それがにじみ出ている」

 新迫「…はい。うれしいです」

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