【箱根への道】インフル欠場の東大・近藤が新たに描く夢 文武両道ランナーの「陸上論」(前編)

2018年1月17日15時0分  スポーツ報知
  • 箱根駅伝をインフルエンザのため欠場した東大・近藤。母校の赤門の前で再起を誓った(カメラ・関口 俊明)

 第94回箱根駅伝(2、3日)で関東学生連合の1区として出場予定だった東大・近藤秀一(3年)は直前にインフルエンザを発症し、欠場した。その後、回復した近藤は、スポーツ報知のインタビューに応じ、トラブルの舞台裏や連合の編成が未定の次回大会への思いなどを語った。7区14位とブレーキした駒大・工藤有生(4年)と同じく長距離ランナー特有の「ぬけぬけ病」に悩まされていることを明かした上で対処法について言及。文武両道ランナーの「陸上論」に迫った。(取材・構成、竹内 達朗)

 夢舞台まで、あと4日。箱根駅伝にオープン参加する関東学生連合の1区に登録された昨年12月29日、近藤は体調に異変を感じた。

 「ちょっと疲れているな、と思った。体調を整えるため、両親に迎えに来てもらい、自宅アパート(都内)から実家(静岡・函南町)に帰りました。でも、翌日、もっと体調が悪くなって、検査を受けたらインフルエンザでした…」

 常連校の中には12月に入ると沖縄などで調整合宿を行うチームもあるが、近藤は練習と並行し、27日まで東大工学部化学生命工学科の実験に参加していた。一人暮らしのため、炊事、洗濯も自分でこなす。これまで、ほぼ完璧に自己管理をしてきた近藤は土壇場でアクシデントに見舞われた。

 「どこで(インフルエンザウイルスを)もらってしまったのか、分からない。事前に予防接種も受けていたし、体調には十分に気をつけていたつもりでしたが、それでも、甘かった、と言わざるえません」

 30日には体温は40度まで急上昇。ボーッとする頭を抱えながら、連合や東大の関係者に連絡を取った。

 「代わりに走ってもらう矢沢(健太)さん(芝浦工大4年)と矢沢さんを応援する皆さんには少しでもいい準備をしてもらいたかった。逆に、正月早々、現地で僕を応援してくれる予定だった方々には早く欠場をお知らせしたかった」

 連合の出場選考タイムで10番手とわずか0秒58差で補欠に回っていた矢沢には「迷惑をかけてすみません。0秒58差で落ちた矢沢さんのことを陸上の神様は見捨てていなかったと思います」と心を込めてLINEを送った。矢沢は21・3キロの1区で5キロを5000メートルの自己ベスト(14分36秒93)とほぼ同じ14分36秒通過。10キロの通過は29分37秒。1万メートルの自己ベスト(29分57秒99)より21秒も速かった。結局、区間最下位相当だったが、矢沢の魂の走りに近藤は実家のテレビの前で心震えた。

 「矢沢さんは、箱根駅伝を走れるか分からないという状況にもかかわらず、完璧な準備をしていた。感動しました」

 連合はエース近藤に加え、5区に登録されていた相馬崇史(筑波大1年)も故障のため、欠場。スタートからゴールまで最下位相当のまま終わった。

 「主将でもある僕が1区で流れをつくれなかったことが原因です。連合の仲間に申し訳なく思っています」

 1、2年は連合に登録されながら出番なし。今回はまさかのアクシデント。“4度目の正直”が期待されるが、次回大会では連合チームの編成は未定だ。

 「来年度は連合が編成されないかも、という話は聞いています。ただ、連合がある、ない、で揺れることはありません」

 次回の95回記念大会は「関東インカレ成績枠」として14~18年の関東学生対校男子1部の総合得点が最も多い大学(14~17年時点の最多得点は日大)に出場権が与えられることが決まっているが、それ以外は出場チーム数を含めて未定。今後、関係者が入念な話し合いを重ねて決定する。

 「どんな決定でも受け入れる覚悟ができています。連合チームが編成されないとしても予選会は東大陸上部にとって大事な大会なので、全力で立ち向かうことに変わりありません」

 ◆近藤秀一(こんどう しゅういち)

 ▼生まれ&サイズ 1995年7月27日、静岡・函南町。22歳。171センチ、51キロ。

 ▼文武両道 静岡県有数の進学校の韮山高3年時に県高校駅伝1区区間賞。現役の東大受験は「1点足りず」(近藤)不合格となったが、翌2015年に東大理科2類に合格。浪人中も毎日10キロ以上を走り、5000メートルの自己ベストを更新。

 ▼ライバル 青学大エース下田裕太(4年)。同じ静岡東部出身で同い年。中学時代から競り合っている。

 ▼自己ベスト 5000メートル14分3秒63、1万メートル29分13秒71、ハーフマラソン1時間4分33秒、マラソン2時間14分13秒(全て東大記録)。

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