【箱根への道】異例!新主将は留学生 拓大・デレセ、言葉より「ハートで引っ張る」

2018年1月31日12時0分  スポーツ報知
  • 外国人留学生として異例とも言える主将に抜てきされた拓大のデレセ(左)に厚い信頼を置く岡田監督(右)(カメラ・頓所美代子)
  • 主な大学の新主将

 第94回箱根駅伝が終了して1か月。各校の新チームは始動している。4年ぶりにシード権(10位以内)を獲得した拓大はワークナー・デレセ(3年)が新主将に就任。異例の外国人留学生キャプテンのもと拓大史上最高(7位)の更新を狙う。4連覇を果たした青学大は2区区間賞の森田歩希(3年)が新主将に。中大は名物キャプテンの舟津彰馬(2年)が退任し、関口康平(3年)が新主将を務める。第95回大会まで、あと336日。各校の新キャプテンを特集する。

 72歳の大ベテラン監督は、自信を持って新たな主将を指名した。「次の拓大を率いる男はデレセしかいない」。第94回箱根駅伝で8位に食い込み、4年ぶりのシード権奪回から一夜明けた4日。岡田監督は新チームの初ミーティングで訴えた。

 エチオピアから来日して、まだ3年弱。「言葉の問題で私には難しい」と一度は尻込みしたが、チームメート全員の温かく、熱い拍手で覚悟を決めた。「言葉で伝えられない部分もあるが、その分、ハートでチームを引っ張りたい」。所信表明には、すでにキャプテンにふさわしい貫禄が漂っていた。

 外国人留学生が主将に就任するのは極めて異例。「昨年の夏頃から新チームの主将を託すことを考えていた。きつい練習では常に集団の先頭を引っ張り、時にはさりげなく集団の後方に下がって苦しそうな選手を励ましていた。練習を頑張った選手にドーナツをおごったりすることもあったね。チームワークというものを最も理解している男です。今まで通りにやってくれればいい」。岡田監督は全幅の信頼を寄せる。

 言葉より背中で引っ張る主将は、マラソン進出を宣言する。9~14日まで沖縄キャンプを敢行し、40キロ走と35キロ走に臨んだ。当初は東京マラソン(2月25日)に出場予定だったが、帰京後、調子が下がったため長野マラソン(4月15日)にスライド。「初マラソンは2時間8~10分が目標。エチオピアは強い選手が多いが、20年東京五輪出場を狙っています。チャンスはあると思っています」と意欲的に話す。

 最後となる来年の箱根駅伝に向けては、チームと個人の目標は定まっている。拓大の最高成績は11年の7位。これまで3年連続で花の2区を担ったデレセは「チームみんなで過去最高の成績を残したい。そのために私は2区で1時間6分台を出します」と明言する。

 「趣味は勉強」。学生の鑑(かがみ)のような22歳は来日当初から抱いている夢がある。「卒業式に母(ファンダさん)を呼びたい」と澄んだ目で話す。4年間、日本で成長した姿を母に見せるためにも、デレセはエース兼主将として勝負の1年に挑む。(竹内 達朗)

 ◆ワークナー・デレセ 1995年7月23日、エチオピア・アディスアベバ生まれ。22歳。小学生の頃から走り始める。2015年、メダニアレム高から拓大国際学部に入学。箱根駅伝は3年連続2区を走り、1年11位、2年2位、3年5位。1万メートルの自己ベストは28分19秒16。169センチ、51キロ。

 ◆新チーム主将が続々決定

 【青学大】 3年生の選手、マネジャー14人の互選の結果、最多の8票を集めた森田が主将に選ばれた(ちなみに梶谷瑠哉、林奎介が各3票)。森田は「箱根5連覇と学生駅伝3冠を目指してチーム全員で戦います」と決意表明。寮長は10区2位の橋間貴弥(3年)が務める。森田は茨城・竜ケ崎一高、橋間は山形南高の出身。ともに県立進学校出身の秀才コンビが王者を率いる。

 【東洋大】 昨年10月に主将に就任した小笹椋(3年)が続投。副将はエースの山本修二(3年)が務める。今回2位、10年連続3位以内と抜群の安定感を誇る強豪の来季の目標は5年ぶりの王座奪回。「次こそ勝たなければならない。『鉄紺の逆襲』という言葉を掲げてやっていく」と酒井俊幸監督(41)は伝統のタスキの色に強い思いを込めた。

 【順大】 リオ五輪男子3000メートル障害代表の塩尻和也(3年)と箱根駅伝5区4位の山田攻(3年)の2人が副主将に就任。長門俊介監督(33)は「選手たちが自分で決めましたので」と自主性を尊重。新主将に就任した6区10位の江口智耶(3年)を中心に3年ぶりの予選会からはい上がる。

 【駒大】 9年ぶりに箱根駅伝のシード権を失った“平成の常勝軍団”はじっくり主将を見定める。大八木弘明監督(59)は「2月いっぱい、選手を見てからかな。焦らず、じっくりね」と時間をかける方針。経験者7人が残るチームだけに予選会、本戦ともに快走する可能性は十分。新主将選考からも目が離せない。

 【国学院大】 今回の出場20校中では唯一、土方英和(2年)が新チームで3年生主将となる。「キャプテンシーがあり、誰よりも練習をする。監督就任10年目で初めての3年生主将となるが、全く不安はない」と前田康弘監督(39)。同じ埼玉栄高出身の先輩の芹沢昭紀(3年)が副将としてサポートする。

 【中大】 異例の1、2年生主将だった舟津が退任。千葉・幕張総合高から1浪を経て入学した関口が新主将になった。「舟津は一選手として競技に集中し、日本トップクラスを目指してほしい。関口は努力家で視野も広い」と藤原正和監督(36)。前回は予選会で落選も今回は本戦15位まで巻き返した名門は、最上級が主将というノーマルな体制でさらなる復活を期す。

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