白鵬、負けるな獅童!友へ捧ぐ無傷6連勝

2017年5月20日6時0分  スポーツ報知
  • 遠藤(左)を激しく攻め、押し出しで下した白鵬(カメラ・泉 貫太)

 ◆大相撲夏場所6日目 ○白鵬(押し出し)遠藤●(19日・両国国技館)

 横綱・白鵬が前頭筆頭の人気力士・遠藤を張り手を交えた突きの応酬で退けて初日から6連勝を飾った。前日18日に初期の肺腺がんを公表した歌舞伎俳優で友人の中村獅童(44)を勇気づけた。

 白鵬は熱くなりすぎなかった。いつもの四つ相撲とは違う激しい突っ張りを繰り出しても心に余裕があった。「まわしを取るに越したことはないけどね。立ち合いが良かった分、落ち着いて最後までいった」。左差しから右かち上げの必勝の形に遠藤は踏みとどまった。「体が柔らかいね。彼の今場所の意気込みがあったから残せたんだと思う」。のど輪の後はイケメンの顔を張る攻撃で、最後は後ろ向きにして押し出した。

 負けてはいけない相手だった。昨年九州場所では同じ6日目に金星を献上。しかも一気の寄りで力なく土俵を割った。その1か月前に右足親指の手術を受けていたとはいえ、衰えを指摘される内容。意識する存在だからか、この日の朝も「うまさ、柔らかさがある」と評した。負ければ三役未経験者に初めて2個目の金星を奪われる屈辱だった。

 負けられない理由はもう一つ。親友の歌舞伎俳優の市川海老蔵を通して知り合った中村が、肺腺がんを公表した。通算1000勝を達成した昨年11月の九州場所は博多座で公演中だった。場所前、本場所と直接会って激励された。「早く見つかって良かったと思えれば。結婚したばかりで、これからですから。早く治してもらいたい」と病と闘う友人を気遣った。

 4月30日の「ニコニコ超会議2017」では、バーチャル映像に合わせて演目を演じた中村の公演に、締め込み姿でゲスト出演。その際には「『頑張りましょうね』というメールを頂いた」と国技館からの帰り際に明かした。大関を狙う高安に土がつき、日馬富士と早くも優勝争いを引っ張る展開。「当然でしょ」と強めた言葉に10年以上も綱を張るプライドをにじませた。1年ぶりに賜杯を抱くことが、獅童への何よりの激励になる。白鵬はそう信じている。(網野 大一郎)

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