伊勢ケ浜親方、理事を辞任 役員待遇委員に降格…日馬富士引退届の際に辞任申し出も慰留

スポーツ報知
伊勢ケ浜親方は理事会で厳しい表情を見せる

 日本相撲協会は20日、東京・両国国技館で開いた臨時理事会で、元横綱・日馬富士関(33)の暴行問題を巡る関係者の処分を協議し、元日馬富士関の師匠だった伊勢ケ浜親方(57)=元横綱・旭富士=は監督責任を取って理事を辞任し、役員待遇委員に降格。

 元横綱・日馬富士関の師匠の伊勢ケ浜親方は理事を辞任し、この日の臨時理事会で承認された。理事の辞任は2011年4月に八百長問題で北の湖(元横綱)、九重(元横綱・千代の富士)、陸奥(元大関・霧島)の3人以来で、14年1月の公益財団法人移行後は初となった。

 辞任後は2階級の降格となり、給料は17万9000円減の126万9000円(副理事に相当)で、理事会に出席できるが発言権がない役員待遇委員。職務は各部署の副部長までしかできない監察副委員長となる。理事としての職務だった春場所担当部長は他の理事が務める。

 辞任を発表した八角理事長によると、先月29日に元日馬富士関が引退届を提出した際に「師匠としての責任を痛感」して辞任を申し出たが、問題の調査中でもあり慰留したという。理事長は「私と伊勢ケ浜親方が協議した。役員待遇ですが理事の辞任、重いけじめです」と説明した。

 横審では、元日馬富士関の暴行について「引退を勧告するに相当する事案」(北村正任委員長)と理事会に諮問。既に引退して処分を科すことはできないが、理事長は「引退勧告となる処分の前例」との考えを示し、今後は横綱、大関など番付上位者が暴力を振るった場合は即、引退という厳しいガイドラインが設定されたことになる。また、元日馬富士関の功労金は今後科される検察の処分を踏まえて理事会で審議する。

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