貴乃花親方聴取に弁護士も同席へ

スポーツ報知
周囲をうかがうように部屋から外出する貴乃花親方(カメラ・橋口 真)

 元横綱・日馬富士関(33)の暴行問題で、被害を受けた幕内・貴ノ岩(27)の師匠・貴乃花親方(45)=元横綱=が、弁護士同伴で日本相撲協会の危機管理委員会から聴取を受ける可能性が22日、浮上した。同親方は先月14日の問題発覚から貫いてきた強硬姿勢を軟化させ、自ら聴取を受けることを20日の臨時理事会で同委員会と合意。19日に聴取を受けた貴ノ岩同様に証言を裏づける第三者を立ち会わせて、納得いく形で事情を説明する模様だ。

 暴行事件の関係者で最後に話を聞かれる貴乃花親方が、聴取の場に弁護士を同席する可能性が浮上した。「聞き取りを拒否しているわけじゃない。(同席の)可能性はあるよね」と協会関係者。所在が不明だった貴ノ岩が19日に入院先で“電撃的”に聴取を受けた際にも弁護士を伴っており、立ち会うのはそのときと同じ人物が有力だ。

 弁護士を同席させることは、密室で行われることの証人とする意図がある。自らの発言を隠蔽(いんぺい)されたり、発言していないことを公表されることを防ぎたい考えがあるようだ。今回の危機管理委の聴取は、巡業部長として協会に事件を報告しなかったことなどに対する処分の根拠とするため。当初は20日の臨時理事会で処分が決まるとみられていたが、高野利雄・危機管理委員長(元名古屋高検検事長)は理事会後の会見で「処分を決めるには本人の弁明が必要」と語り、28日の次回理事会へと先送りした。

 同親方はこれまでも記録が残る手法を選択してきた。今月5日から合計5回も都内の貴乃花部屋を訪れた鏡山危機管理部長(元関脇・多賀竜)は「やり取りは文書ですることになっているから」と語っていた。一連の行動は、今回の弁護士のアドバイスがあるとも言われている。

 注目の聴取を控える貴乃花親方はこの日、午前11時半に部屋を出て午後5時に戻ってきた。「恐らく弁護士と事前の打ち合わせをしてるのでしょう」と語る関係者も。最後のヤマ場に向けて準備が整いつつある。

 ◆若狭勝氏の見解

 元東京地検特捜部検事で弁護士の若狭勝氏は、貴乃花親方が弁護士を同席させる理由について「貴ノ岩関に聴取しないままに行った(先月30日の)中間報告は、勇み足的なところがあった。貴乃花親方が相当な不信感を抱いている可能性があり、その流れで同席になったのでは」と推測。さらに「答え方で悩ましいところがあれば、すぐに相談できる」などのメリットを語った。

 貴乃花親方サイドとしては、弁護士がいることでしっかりとした事実認定ができる利点があり、協会側から見ても同じことが言えるという。双方にとって“言った言わない”の水掛け論にならずに済むと指摘した。

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