相撲協会またトラブル元顧問・小林慶彦氏を訴えた 施工業者から8000万円受け取る

スポーツ報知

 日本相撲協会は28日、同協会の顧問を務めていた小林慶彦氏(62)が立場を悪用して不正に利益を得ていたとして、計1億6500万円の損害賠償請求を求める訴訟を東京地裁に25日に起こしたと発表した。小林氏は12年2月から16年1月まで危機管理業務への助言などを協会から委託されていたが、16年1月末に契約を解除され、その後、地位保全を求める訴訟を協会を相手に起こしていた。

 角界は暴行問題以外にも問題を抱えていた。臨時理事会後の会見で別のトラブルが明かされた。訴状によると小林氏は協会に在籍していた期間に、力士が登場するパチンコ台を巡り、仲介業者から裏金を受け取る姿がネット上に流されるなど金銭に関する疑惑が浮上していた。

 協会側は同氏の契約解除を機に代理人を通じて調査を開始。訴状には顧問の立場を悪用し、両国国技館の改修工事などを巡り、施工業者から8000万円を受け取ったとの指摘があった。ほかにも悪質な利益背任行為を繰り返していたことが明らかに。同氏が相撲協会の社会的信用などを毀損(きそん)したとして今回、提訴に踏み切った。

 協会はこの日、損害の内訳も発表。小林氏の加害行為で被った損害に加え協会の信用毀損に伴う損害が5000万円、不正行為の調査費用3000万円で計約1億6500万円。同氏が代表取締役を務めるコンサルティング会社は10月に突如、解散している。一方で16年2月に相撲協会事務局職員の地位確認を求める訴訟を起こし、東京地裁で現在も係争中。双方が訴え合うという形になっている。

 小林氏は「訴状を読み込んだ時点で、対応させていただきます」とコメントを発表した。

 協会は元日馬富士関の暴行問題の解決を進める裏で、小林氏との問題にも注力。27日の年寄総会ではこの件の資料が配布され、八角理事長が断固として戦う姿勢を示すと親方衆から大きな拍手が起こったという。また小林氏は貴乃花一門のパーティーにも出席し、檀上で乾杯の音頭をとるなど貴乃花親方と近い関係にあるという。

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