新入幕・竜電、信玄餅パワーで2ケタ勝利目指す“勝負カラー”黒の締め込みも

スポーツ報知
黒の締め込みを手にする竜電

 大相撲初場所は14日、両国国技館で初日を迎える。山梨県内出身力士としては1988年春場所の大乃花以来、戦後7人目となる新入幕を果たした東前頭16枚目・竜電(27)=甲府市出身、高田川=は13日、今場所から着ける黒の締め込みで軽めの朝稽古を行った。初日の相手は、同じ2006年春場所が初土俵の西前頭15枚目・錦木(27)=伊勢ノ海=。同期のライバルから白星を挙げ、目標の2桁勝利へ弾みをつける。

 リラックスした雰囲気の中、新入幕を果たした初場所初日前日の朝稽古を終えた竜電。「いつも通りです」と短い言葉ながら、笑顔を見せるなど、順調な仕上がりぶりをうかがわせた。

 今場所、初めて黒の締め込みを巻いて臨む。「Tシャツやジャージーも黒が多いですね」という“勝負カラー”だ。師匠の高田川親方(元関脇・安芸乃島)からも「黒が似合っている」と言われ、「親方も(現役時に)着けていたので」と理由を説明。数日前からなじませてきた。

 初日の相手に決まった錦木は同じ06年春場所が初土俵で、同い年。「意識はしません」としながらも、「一緒に頑張ってきた相手。いい相撲が取れたら」と意気込んだ。錦木は16年夏場所で新入幕するなど、経験値では劣る竜電だが、「同じ番付(前頭)。相手が上だとは思っていないです」。昨年夏場所では黒星を喫しているものの、気負いはない。

 体重150キロの竜電に対して173キロの錦木。23キロ差あるが、「先に攻め込んで相手を下げさせることで軽くなる。先手必勝。立ち合いでどれだけ踏み込めるか」と白星へのイメージを膨らませた。

 2日目の相手も東前頭17枚目の大奄美(25)=追手風=に決まっているが、「とりあえず初日。どれだけ自分の相撲ができるか」と目標の2桁勝利へ向け、目の前の一番に集中した。「27歳ですけれど、まだまだいける。ここからが新たなスタート。やっとここまできた。これで終わりじゃない」

 新十両昇進を果たした12年九州場所から地元・山梨の後援者が毎場所前に届けてくれる信玄餅は、これまでの300個から500個に増えた。「パワーが出ます。頑張りたい」と応援も力に変え、いよいよ初日を迎える。(古川 浩司)

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