崖っ縁の鶴竜、連勝 復活ロード支えたのはファンの激励

スポーツ報知
貴景勝(右)に張り手を浴びせる鶴竜

◆大相撲初場所2日目 ○鶴竜(押し出し)貴景勝●(15日・両国国技館)

 4場所連続休場からの復活を目指す横綱・稀勢の里が初白星を挙げた。昨年初場所後の横綱昇進以降4連敗中だった初日とは対照的に、2日目は全勝。先場所敗れていた東前頭筆頭・北勝富士を押し出し、綱で初の連敗発進なら皆勤すら危ぶまれた逆境をはね返した。同じく4場所連続休場明けで進退が懸かる横綱・鶴竜は、万全の相撲で2連勝。横綱・白鵬、豪栄道と高安の両大関も勝ち、3横綱2大関は安泰だった。

 崖っ縁の鶴竜が昨年名古屋場所以来の連勝スタートを決めた。初顔の新小結・貴景勝を立ち合いから圧倒。張り手を交えて一方的に押し出した。「自分の相撲をしっかり取れた。張り手? 流れの中、体が自然と動く。一日一日、良くなっていけばいい」と、21歳の新鋭に完勝。途中休場も含め結果が出なければ即引退の危機をまた一歩遠ざけた。

 昨年夏場所から4場所続けて休場。折れかけた気持ちを支えたのはファンの声だった。「メッセージは全部読んでいますよ」。部屋に届く激励の手紙だけでなく、国技館にある応援の書き込みまで読み、心を整えた。患部の右足にはテーピングを巻かずに土俵に上がる。「つけると筋肉、筋が弱くなる。我慢してやっている」と、再生力に復活への思いを込めた。「まだ2日始まったばかり。明日が千秋楽ならいいけどね」。取り戻した自信を武器に、横綱の地位を守り抜く。(網野 大一郎)

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