大鵬孫・納谷、“横綱相撲” 突き3発で白星デビュー

スポーツ報知
朝東(左)を土俵際に押し込む納谷

◆大相撲初場所3日目(16日・両国国技館)

 新弟子らによる前相撲が始まり、昭和の大横綱・大鵬(故人)の孫の納谷(17)=本名・納谷幸之介、大嶽=、元横綱・朝青龍の甥・豊昇龍(18)=本名・スガラグチャー・ビャンバスレン、モンゴル出身、立浪=と偉大なDNAを受け継ぐ逸材2人が、そろって白星デビューを果たした。納谷は朝東(高砂)を突き出しで圧倒、豊昇龍は雲仙岳(境川)を力強く寄り切った。

 「納谷ぁ~っ!」の掛け声も響いた午前8時45分の国技館で、身長188センチ、体重166キロの巨体が仁王立ち。背筋力180キロから繰り出す、大砲のような突き3発で、朝東をあっさり土俵外に吹き飛ばした。「気持ちがすごく引き締まった。悔いの残らないよう、前に出る相撲を一番一番取っていきたい」。祖父の故・大鵬さん、父の元関脇・貴闘力さん(50)が歴史に名を刻んだ土俵の感触を、味わうようにかみしめた。

 強豪の埼玉栄高相撲部で活躍し、昨秋の国体少年で個人、団体2冠の実力者だ。「教わったのは四股の踏み方と箸の持ち方」という祖父の大鵬さんが引退した1971年夏場所時の187センチ、153キロを超えて新弟子検査を突破。既に東京・清澄の大嶽部屋で生活している。前日は「いつの間にか寝てしまいました。グッスリです」という大物ぶり。祖母の大鵬夫人、芳子さんも「ふと見た時に(大鵬さんに)似ている」という納谷。大関・豪栄道ら、多くの教え子を角界に輩出した埼玉栄高の恩師、山田道紀監督(51)は、「稽古では絶対に手を抜かない。この厳しい世界でも努力していける」と太鼓判を押した。2勝すれば8日目(21日)には新序出世披露。その時は偉大な祖父の化粧まわしを借りるという。(今関 達巳)

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