稀勢の里、5場所連続休場…進退も

スポーツ報知
稀勢の里の休場で千代大龍の不戦勝を伝える幕

◆大相撲初場所6日目(19日・両国国技館)

 横綱・稀勢の里が左大胸筋などの負傷で初場所6日目の19日から休場した。休場は6回目で昨年春場所からの横綱在位6場所で5場所連続。02年九州から03年秋場所の武蔵丸(現武蔵川親方)以来の不名誉記録で、来場所以降出場しても、結果が出なければ進退問題に発展しそうな状況に追い詰められた。幕内最年長39歳の安美錦も右膝などを痛めて6日目から休場した。今場所の十両以上の休場力士は7人となった。横綱・鶴竜、関脇・御嶽海、幕内・栃ノ心、朝乃山が全勝。

 結局、稀勢の里は休場した。この日、協会に「左大胸筋損傷疑い、左前胸部打撲。今後精密検査を必要とする。また、3週間の安静とする」の診断書を提出。早朝に電話で相談して休場を決めた師匠の田子ノ浦親方(元幕内・隆の鶴)によると、5日目の嘉風戦で痛めて、昨年春場所13日目に負傷した箇所と「同じとは言わないが近い」という。

 5日目まで不戦敗を除く1勝4敗の成績は横綱としては1953年3月場所の千代の山以来65年ぶりとなる不振。横綱審議委員会(横審)の前委員長で整形外科の権威でもある守屋秀繁氏(千葉大名誉教授)は、「一般的には大胸筋は2、3か月で治るが、見ていると(昨年の負傷から)筋力とか俊敏性が回復していない。もっと足腰が強かった」と印象を語った。

 今場所前の横審の稽古総見では北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)が進退問題について言及。「猶予はあると思います。過去に例がないこともない」と貴乃花(現親方)の01年名古屋場所からの7場所の横綱連続最長休場を基準に不問の方針を掲げているが、この日は「場所後に委員の皆さんの意見を聞いてからお話したい」と言及を避けた。八角理事長(元横綱・北勝海)は「悪いところを治して出ないとダメ。進退問題? 本人が決めること」とだけ語った。来場所以降、出場すれば結果と進退問題が直結することになりそうだ。

 田子ノ浦親方は「まだまだ改善の余地がいっぱいある。体を治しつつ、自信を戻して土俵に上げたい。まだやれる」と話しており、回復次第では2月の花相撲から復帰するという。また、関係者によると、稀勢の里は来場所の出場を視野に入れている。

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