温泉入って極上ワイン…初優勝・栃ノ心の母国ジョージアは魅力いっぱい

スポーツ報知
優勝の栃ノ心は大杯を手に笑顔

 大相撲初場所で初優勝した西前頭3枚目・栃ノ心(30)=春日野=の故郷ジョージアと日本の交流を推進する「東京ジョージア倶楽部」(東京都中央区)の代表理事を務める阿原聡さん(54)が28日、スポーツ報知の取材に応じ、交流のある栃ノ心の優勝を祝福した。また、日本ではまだ知られていないジョージアの魅力についても語った。

 「これが日本の皆さんにジョージアを知っていただくきっかけになれば」。阿原さんは、栃ノ心の初優勝を心から喜んだ。8年前に同国出身の総合格闘家、レヴァン・ラズマゼ(32)を通じて知り合って以来の親交。LINEで激励メッセージを送れば場所中でも100%、ローマ字で打った日本語で返信してくる。

 優勝が現実味を帯びてきた12日目(25日)には「阿原サン、いつも応援ありがとうございます。残り3日間、頑張ります!」とボイスメッセージが送られてきた。「メッセージに必ず感謝の気持ちが入っている。誠実で思いやりがある」

 専門の総合商社「ネイチャープラス」代表取締役としてワインなどの輸入を手掛ける阿原さんが、民間での交流を広げるために、駐日ジョージア全権大使を名誉会長とする東京ジョージア倶楽部を創設したのは2011年。郷土力士の栃ノ心と臥牙丸は特別アドバイザーの肩書を持つ。

 「ジョージアはビジネス相手としては大変なこともありますが、観光には適したところ。首都トビリシは、古き良き東欧の街という感じ。『暖かい場所』という意味で温泉があるんです」と阿原さん。市内にあるアバノトウバニと呼ばれる公衆浴場は、トルコで有名な「ハマム」と似たスタイルで天然硫黄温泉だ。共同浴場のほかに個室浴場のドームが連なり、あかすりマッサージも受けられるという。

 目玉は発祥の地として8000年の歴史を持つといわれるワインだ。同国東部のワインどころ、カヘティ州の「サペラヴィ」「フヴァンチカラ」は芳醇(ほうじゅん)な味わい。クレオパトラや楊貴妃も好んだといわれ、世界的に高評価されている。

 倶楽部のメンバーは現在約300人。同国の世界的バレリーナ、ニーナ・アナニアシヴィリのバレエ鑑賞などの旅行企画のほか、ワインを楽しむ会も行っている。「栃ノ心優勝を機にメンバーが増えれば。初優勝のお祝いも企画したい」と阿原さん。角界のニコラス・ケイジと「クレオパトラの涙」とも称される極上ワインで乾杯することもできそうだ。(甲斐 毅彦)

 ◆ジョージアあらかると

 ▽歴史 1922年にソ連に加盟し、91年に独立

 表記変更 以前はロシア語に由来する「グルジア」。2008年にロシアと武力衝突して外交関係が断絶したことから英語読みの「ジョージア」への変更を働きかける。日本は15年4月から変更

 ▽国旗 11~15世紀のグルジア王国時代に用いられていたもので、英国国旗などにも見られる白地に赤の聖ジョージ十字の四隅にエルサレム十字を配したもの。04年に制定

 ▽公用語 ジョージア語(ロシア語も通じる)

 ▽通貨 ラリ。補助通貨はテトリ(1ラリ=100テトリ)。1ラリは約43.4円(28日現在)

 ▽民族 ジョージア系86.8%、アゼルバイジャン系6.2%、アルメニア系4.5%、ロシア系0.7%、オセチア系0.4%

 ▽宗教 キリスト教(ジョージア正教)

 ▽主な産業 農業、食品加工業、鉱業

 ▽気候 四季があり、首都トビリシは年間を通じて東京とほぼ同じ気温

 ▽名物料理 ハチャプリ(チーズ入りのピザ風パン)、ヒンカリ(肉を皮で包んだショウロンポウ風料理)、ハルチョ(スパイスの利いた牛肉のスープ)

 ▽日本からの距離 約7800キロ。直行便はなく、欧州・ドバイなどの空港経由で16~20時間

 ▽在留邦人数 36人(17年6月)

 ▽時差 マイナス5時間(日本が正午の時、午前7時)

 ▽主な出身者 ヨシフ・スターリン(元ソ連書記長)、アラム・ハチャトゥリアン(「剣の舞」などの作曲家)、エドゥアルド・シェワルナゼ(元ソ連外相、ジョージア大統領)

 ▽主な出身スポーツ選手 臥牙丸(十両力士)、黒海(元幕内力士)、ショータ・チョチョシビリ(ミュンヘン五輪男子柔道金メダリスト)、ダビド・ハハレイシビリ(バルセロナ五輪男子柔道金メダリスト)

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