栃ノ心、優勝&殊勲&技能の“3冠” 母国ジョージアが大統領表彰を検討

スポーツ報知
賜杯を手にバンザイで喜ぶ栃ノ心(カメラ・能登谷 博明)

◆大相撲初場所千秋楽 ○栃ノ心(押し出し)遠藤●(28日・両国国技館)

 14日目に初優勝した前頭3枚目・栃ノ心が“3冠”で締めくくった。前頭5枚目・遠藤を押し出して14勝目。優勝に殊勲、技能と三賞のダブル受賞した力士は2001年秋場所で平幕優勝した琴光喜以来17年ぶり。ジョージアに初の賜杯をもたらした功績をたたえて、同国の駐日大使は国民栄誉賞に相当する大統領表彰を提案する考えを明かした。

 初優勝が決まっていても手綱は緩めない。栃ノ心は立ち合いで右を差すと、遠藤を押し出して8連勝締め。「楽しく相撲が取れた。(千秋楽で)負けて気合が入っていないと言われるのは嫌だった」。この日決まった殊勲、技能賞にも花を添えた。Vインタビュー後は東の支度部屋の一番奥に座って万歳三唱。「ここは横綱の席だからドキドキするよ」と大粒の汗をぬぐった。

 初の賜杯を抱いたニュースは母国・ジョージアに届き、国民的英雄になりつつある。千秋楽を観戦した同国のツィンツァゼ駐日大使は「大統領、首相、国会、外務大臣からも祝福された。ジョージアのヒーローだ。彼が大関、横綱になると分かっている」と持ち上げた。日本の国民栄誉賞に相当する大統領表彰についても「提案する。将来のサプライズで私たちの願い。可能性はある」とし、政府への働きかけを示唆した。

 2月には栃ノ心をたたえる記念パーティーを開催し、日本政府関係者も招く予定。大使館関係者によると、大相撲人気が急上昇し、来年のラグビーW杯日本大会に出場する同国代表にも注目度で負けていないという。

 初場所の主役となった弟子と握手した春日野親方(元関脇・栃乃和歌)は「エネルギーがあった。よく頑張った」とねぎらった。自己最多14勝を挙げ、関脇復帰確実な来場所は大関取りへの道を切り開く大事な15日間。「もっと強くならないと。大関のイメージ? 頑張ります」とニヤリ。短い言葉に決意を込めた。(小沼 春彦)

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