竜電が敢闘賞 山梨県勢35年ぶり!新入幕では初

スポーツ報知

◆大相撲初場所千秋楽(28日・両国国技館)

 山梨県出身力士としては1988年春場所の大乃花以来、戦後7人目の新入幕を果たした東前頭16枚目・竜電(27)=甲府市出身、高田川=が、敢闘賞を受賞した。取組前に国技館内で開かれた三賞選考委員会で決まった。県勢力士としては、新入幕の三賞は初の快挙となった。ただ西同9枚目・千代丸(26)=九重=には引き落として敗れ、10勝5敗で終えた。春場所はエディオンアリーナ大阪で、3月11日に初日を迎える。

 悔しい新入幕場所の締めくくりとなった。竜電は立ち合ってすぐに千代丸の引きについて行けず、バッタリ両手を着いた。白星で締めることができず、東支度部屋ではしばらく厳しい表情。「一応、2桁勝てたので良かったとは思うけど、最後の相撲は良くなかった」と唇をかんだ。

 ただ、堂々たる成績だったことは間違いない。それを評価するように、敢闘賞の受賞が決まった。そのことに話題が及ぶと「正直にうれしい」と顔をほころばせた。取組前に開かれた三賞選考委員会では、敢闘賞だけでなく技能賞の候補に名前が挙がったほど。敢闘賞では選考委員28人(過半数15人)中、25票の支持を集めた。県勢力士が三賞を受賞するのは1983年秋場所の元関脇・富士桜以来、35年ぶり。県勢力士の新入幕場所での三賞は初の快挙だ。

 2006年春場所で初土俵を踏み、22歳だった12年九州場所で新十両に昇進したが、同場所で右股関節を負傷した。さらに2度の骨折で、一時は序ノ口まで番付を落としたが、懸命のリハビリで復活。その中で迎えた新入幕場所は快進撃を続けた。師匠の高田川親方(元関脇・安芸乃島)は「上位に行って、また頑張ってほしい」とゲキを飛ばした。竜電も「緊張はしたが、いい15日間だった。まだ始まったばかりなので、もっと番付を上げて来場所もいい相撲を取れるようにしたい」と誓った。大阪の土俵ではもっと大暴れする。(三須 慶太)

 ◆竜電 剛至(りゅうでん・ごうし)本名・渡辺裕樹(ゆうき)。1990年11月10日、甲府市生まれ。27歳。高田川部屋。柔道に打ち込んでいた竜王中時代に高田川親方に誘われ、卒業と同時に入門。2006年春、初土俵。189センチ、150キロ。得意はもろ差し、寄り。しこ名の由来は、母校の竜王中と、江戸時代の伝説の力士「雷電」から。

スポーツ

×