再発防止委員会、角界再建へ全協会員900人聴取

スポーツ報知
再発防止委員会後に会見する(左から)中田氏、但木氏、近石氏、宇津木氏

 元横綱・日馬富士関(33)など相次ぐ暴行問題を受け、日本相撲協会が委嘱した「暴力問題再発防止検討委員会」の第1回会合が8日、東京・両国国技館で行われた。会合後の会見で、同委員会が親方や力士を含めた900人余りの全協会員から実態把握に向け直接聞き取りを行い、引退するなど協会を離れた人間からも話を聞く用意があることが明かされた。今年10月までに2回ほど中間報告を行い、相撲協会に報告から導いた提言を伝える。

 同委員会は八角理事長(元横綱・北勝海)から委嘱を受け、相撲協会から独立した第三者機関として1日に発足。元検事総長の但木(ただき)敬一委員長は、「(活動の目的は)理事長の利益のためではなく大相撲の永続性のため。理事長も『それで結構です』としていただきました」と話した。第三者機関のため八角理事長ら相撲協会執行部は第1回会合を欠席した。

 聞き取りして集めた報告は、協会に伝えない。但木氏は「刑事罰、懲戒(につなげるもの)ではない」とし、あくまで中立の立場で検討して再発防止への提言に反映させる。協会に被害の事実などを伝えたければ当事者の判断に任せるという。設立の契機は元日馬富士関による十両・貴ノ岩への暴力で、元日馬富士関への聞き取りは現段階で未定。「これまでの風土、性質を把握したい」(同氏)と角界を理解することから活動を始めるという。

 協会を離れた人からの聞き取りは、「目安箱のようなもの」を設置。但木氏は16年に将棋棋士のコンピューターソフト不正使用疑惑が指摘された問題で調査委員会の責任者を務め、問題解決へ一役買った。「徹底的に話をする」と詳細な実態把握を目指し、場合によっては部屋のおかみさんからも話を聞く用意があるという。9日に第2回会合を開く。(網野 大一郎)

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