稀勢の里、春場所休場も…連合稽古を欠席 

スポーツ報知
二所ノ関一門の連合稽古で汗を流す琴奨菊(左)と高安(カメラ・義村 治子)

 大相撲の二所ノ関一門の連合稽古が5日、大阪・堺市の尾車部屋で行われたが、5場所連続休場中の横綱・稀勢の里(31)=田子ノ浦=は欠席した。新横綱として臨んだ昨年春場所後では、初めての連合稽古不参加。6日の連合稽古も当日の状態を見て参加の可否を決めるが、仕上がり具合を確認する場に現れなかったことで、春場所(11日初日・エディオンアリーナ大阪)への出場に暗雲が漂ってきた。

 横綱昇進から丸1年。稀勢の里は左上腕、左足首、腰と常に負傷を抱えながらも毎回参加し続けてきた一門の連合稽古を回避した。師匠の田子ノ浦親方(元幕内・隆の鶴)は「部屋で調整している。本人と話をして決めた。休場していたし、場所に向けて必死にやっている」と説明。関係者によると、大阪市港区の田子ノ浦部屋でも稽古場に降りなかったという。

 全休した昨年秋場所でも参加していた“恒例行事”を休んだ事実だけでも、調整に苦しむ様子がうかがえる。1日からは高安との三番稽古で番数を重ねた。3日の住吉大社での奉納土俵入り後には「必死にやっていますよ。昼も夜もね」と、出場に向け最善を尽くしていることを明かしていた。一方で4日には連合稽古への参加を明言しないなど、迷いもうかがえた。

 連合稽古の内容と場所の成績は連動している。昨年春場所前は幕内・嘉風(尾車)、玉鷲(片男波)と実力者を圧倒。つかんだ手応えで22年ぶりの新横綱Vを成し遂げた。逆に昨年の名古屋場所前は嘉風に苦戦。最後は左腕を強打して打ち切り、場所では途中休場を余儀なくされた。

 稀勢の里は次に出場する場所に進退を懸けると明言している。苦しむ和製横綱に尾車親方(元大関・琴風)は「腹をくくって出た方がいいのか…。休むと土俵勘も鈍ってしまう。休む勇気、出る勇気、どっかで吹っ切らないと」と覚悟の重要性を説いた。田子ノ浦親方は「明日(6日)は来られるなら」と参加の可能性も示唆。本場所の出場可否の決断を迫られる連合稽古には、果たして現れるか。

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