鶴竜、まわし取らずに3連勝 “キラー”玉鷲退治

スポーツ報知
玉鷲(右)をはたき込みで下す鶴竜(カメラ・石田 順平)

◆大相撲 春場所3日日 ○鶴竜(はたき込み)玉鷲●(13日・エディオンアリーナ大阪)

 横綱・鶴竜が前頭筆頭・玉鷲をはたき込んで3連勝を飾った。今年初場所千秋楽の大関・豪栄道戦で負傷した右手指が完治しないまま強行出場。その初場所では、初日から10連勝の後に初黒星を喫した鬼門の相手を突破して一人横綱の威厳を見せつけた。横綱、大関陣は今場所初めてそろって白星。元横綱・日馬富士関(33)の暴行被害を受け、3場所ぶりに出場した十両・貴ノ岩は復帰後初黒星を喫した。

 技ありの立ち合いで鶴竜が初日から3連勝だ。頭からかまして優位に立つと、すかさずの両張り手で玉鷲の顔を上げさせて2秒8のはたき込み。「(相手の)まわしを取らずにしっかりと突っ込んでいこうと思った」。今場所は右手薬指などの負傷を抱えての強行出場。握力が万全でないなかでの作戦勝ちだった。

 やっと“鶴竜キラー”を退治した。玉鷲とは昨年初場所から3連敗中だった。先場所は初日から10連勝して迎え、優勝も期待され始めた11日目に痛恨の黒星。そこから4連敗の大失速で、当時平幕の栃ノ心に賜杯をさらわれた。それだけに「意識というか、注意するところはあった」と負の連鎖を断ち切るために細心の注意を払った取り口でもあった。敗れた玉鷲も「立ち合いから横綱のペースにのみ込まれてしまった」と悔しさをあらわにした。

 白鵬、稀勢の里の2横綱が休場し、初日から2大関も敗れる“荒れる春場所”だが、八角理事長(元横綱・北勝海)は「(鶴竜が)押し込んでいたし、先に先に動いていた。きょうの勝ちは大きい。これからもっとよくなりそう」と一人横綱の復調気配に目を細めた。

 場所中は肉食でコンディションを維持。「やっぱり力が出る」と夕食では牛肉など500グラムを平らげるのが日課だという。「ファンの応援に応えたい。精いっぱいチャレンジする」と決意して臨む大阪の土俵で、波乱は起こさせない。(小沼 春彦)

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