貴乃花親方の弟子・貴公俊が付け人を暴行

スポーツ報知
大翔鵬(右)に引き落としで敗れた貴公俊(カメラ・能登谷 博明)

◆大相撲春場所8日目 ○大翔鵬(引き落とし)貴公俊●(18日・エディオンアリーナ大阪)

 大相撲の東十両14枚目・貴公俊(たかよしとし、20)=貴乃花=が春場所8日目の取組後、支度部屋で付け人の顔を殴打したことが18日、分かった。日本相撲協会の春日野広報部長(元関脇・栃乃和歌)が明かした。貴公俊は今場所新十両で、東十両10枚目で同部屋の双子の弟・貴源治(20)とともに史上初の双子関取として注目を浴びていた。相撲協会は昨年9月末から峰崎部屋で暴力事件が起きていたことも発表。元横綱・日馬富士関(33)の事件以降、頻発していた暴力がまたも表に出た。

 関係者によると、貴公俊はこの日の取組前、土俵下に入るタイミングが大幅に遅れ、土俵下の境川審判長(元小結・両国)に注意された。付け人の指示が遅れたことが一因になっており、取組では大翔鵬(追手風)に敗れ5敗目。東支度部屋に戻ると、入り口付近で数回、付け人を務める同部屋の序二段力士の顔などを殴打。口から血が流れ、床には血痕がついていたという。周囲の力士らが止めるのは不可能な数秒の出来事で、風呂から上がると「今度やったら…」と付け人に暴言を吐いたという。

 情報を聞いて協会執行部が対応。打ち出し後に会見した春日野広報部長が暴行を公表。貴公俊は取組後に鏡山危機管理部長(元関脇・多賀竜)に呼び出され「2、3発殴った」と暴行の事実を認めたという。師匠の貴乃花親方(元横綱)には鏡山親方が電話で連絡を取り状況を伝えたが「何とも…。本人と会っていない」と事態を把握していなかったため、協会は19日に改めて当事者に事情聴取を行う。

 貴乃花親方は今場所最長となる1時間15分間も役員室に滞在。午前11時半に入室し、3人の理事と顔を合わせたが、午後0時45分に会場裏口から車に乗って引き揚げた。関係者によるとコートを羽織り、カバンを持って役員室を退出。「何かあったら電話を下さい。会場内にいますので」と話したというが、貴公俊の取組前に会場を離れていた。

 貴乃花部屋は、十両・貴ノ岩(28)が元横綱・日馬富士による傷害事件の被害者となり、3場所ぶりに今場所から復帰したばかり。その弟弟子、貴公俊によって角界にまた暴行事件が起きてしまった。

  ◆大相撲の主な暴行事件

 ▽06年7月 幕内・露鵬が男性カメラマンに暴行し、3日間の出場停止。

 ▽07年6月 当時17歳の時太山(本名・斉藤俊さん)が当時の師匠、時津風親方(元小結・双津竜)や兄弟子3人に暴行され死亡。4人は傷害致死容疑で逮捕、協会を解雇。

 ▽10年1月 横綱・朝青龍が優勝した初場所中に泥酔して知人男性を暴行したとされる問題を受け、現役を引退。

 ▽17年10月 鳥取市内の酒席で幕内・貴ノ岩が横綱・日馬富士に頭部などを殴られて負傷。「脳しんとう、左前頭部裂傷、右外耳道炎、右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑い」と診断され11月の九州場所から2場所連続で全休した。

 ◆貴公俊 剛(たかよしとし・つよし)本名は上山剛。1997年5月13日、栃木・小山市生まれ。20歳。茨城・境第一中卒業後、貴乃花部屋に入門。13年春に初土俵。幕下だった18年初場所で勝ち越し、今場所から新十両に昇進した。同部屋の弟・貴源治も十両で史上初の双子関取となった。得意技は四つ相撲。血液型O。185センチ、149キロ。

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