元幕内・大至、土俵の女人禁制に「女性は力士のオアシス」と独自見解を示す

スポーツ報知
大至

 大相撲の元幕内力士で歌手の大至(49)が7日、自身のブログを更新し、4日に京都府舞鶴市で開催された大相撲春巡業で多々見良三市長(67)が倒れた際に救命処置の女性が土俵に上がり、場内放送で下りることを促された問題と土俵の女人禁制について自身の見解を示した。

 大至はブログで「力士と土俵と女性と」と題し、「相撲界様々な意味で様々な場面を見直す時期なのかもしれない」と切り出した。そして今回の件について、「病院の女性スタッフさんの迅速な行動により、一命をとりとめた。本当に良かったと胸を撫で下ろします。そして、女性スタッフさんの冷静な判断に脱帽です」と土俵に上がり視聴を救護した女性に感謝した。

 女性に土俵から下りるよう行事がアナウンスしたことに、批判の声が出ている。大至は「誰もが想定しなかった緊急事態。今後の相撲協会の、本場所や巡業運営に課題を残したし、そこは改善していかないといけないと思う」との見解を示した。

 その一方で、中川智子宝塚市長(70)が春巡業の際に土俵に上がってのあいさつを求めたことに対しては否定的。「ここは、角界関係者は誰もが反対するだろう。しかしなぜだろう。僕も、それには反対。では、なぜ反対なのか。これまた様々な意見がある」とした上で、「我々男だけの世界で、頭と頭、体と体の激しいぶつかり合い。可愛がられて土俵の砂がべっとりと体につき、前なのか後ろなのかわからなくなるくらい、そんな稽古場の土俵。勝つか負けるか。生きるか死ぬか。命を懸けた本場所の土俵。巡業の土俵だって大切な我々の仕事場である」と土俵を表現。「そんな荒々しい毎日、ギリギリの瀬戸際の毎日の中で、ホッと一息つく力士の安らぎは、女性なのかもしれない。女性の懐なのかもしれない。女性の胸の中なのかもしれない」と独自の解釈を示した。

 大至は「女性の中に安らぎを求める、力士のオアシスを、荒々しい土俵にあげることは、女性の皆様に失礼だと。危険だと。先人は判断したのだと考える。そして、我々の胸のうちもそうだと考える。我々にとって安らぎの懐。女性。だから、土俵に上げたくない。上がってほしくは無いのだと考える。決して差別ではない。むしろ尊敬の心がそうした行動や言動にあるのだと僕は思う」と差別ではないことを強調し、「伝統やしきたりに理由はない。そう言うもんだと教えられた裏側には、大男たちのそんな計らいがあったのではないかと考える」と持論を展開した。

 そして、「さぁて、この緊急事態に、今後どのように対処すべきか。一般の方々を男女問わず土俵にあげないのか。土俵下に男の医療スタッフをおくのか、巡業に帯同させるのか。新理事体制の采配に期待を寄せたいと思う。何も出来ない歯がゆさ。ただ見守るだけしか出来ないが、僕は、相撲甚句を歌い続ける 相撲の文化を魅力を、甚句を通して世界に発信したいと考える」と自身の思いを記していた。

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