宝塚市の中川智子市長、相撲協会に要望書「前進になるように…」

スポーツ報知
相撲協会に要望書を提出して引き上げる中川智子・宝塚市長(右)

 女性は土俵に上がれないとする大相撲の伝統から、春巡業で土俵上でのあいさつを日本相撲協会に断られた兵庫県宝塚市の中川智子市長(70)が19日、都内の同協会とスポーツ庁を相次いで訪問した。巡業開催地の首長は男女平等に同じ場所であいさつし、本場所千秋楽の表彰などでも女性が土俵に上がれるように議論を開始することを求める要望書をそれぞれ手渡した。

 相撲協会では芝田山広報部長(元横綱・大乃国)と40分以上、面会。「差別意識はない」と説明した同親方の話を聞いた上で、要望書を受けて「理事会で議論することを始めると明言していただいた」と明かした。スポーツ庁では今里譲次長と面会し、土俵に女性を上げる、上げないに関しては「協会の自主性」との回答を受けたといい、「助言することはできるので助言する」と約束したとして、「私としてはどのような助言をしたか、回答してほしい」と希望を伝えたという。

 中川市長は、女性に土俵から下りるよう促した場内放送が問題化した4月4日の京都・舞鶴市の巡業で、男性市長が土俵に上がっていたことを知り、自身も立ちたいと希望したが却下され、土俵脇の台上であいさつした。それを問題視して、「女性に頑張ってくれという社会でありながらも、活躍する様々なものを阻んでいる要因の一つが相撲協会の体質」と言い切った。「このタイミングだからこそ、国民の皆さんも相撲協会も一緒に考えましょう。このままでいいんですか、という問題提起のつもりです」と力説した。

 この日は市職員2人を伴って上京し、公費による業務の一環だとした。「市議会の議長、副議長に許しを得ました」と説明。また協会側が自身の納得する回答をしなかった場合は「半年後にまた来ます」と訴えを続ける構え。「前進になるように願っています。(今日は)一歩までいっていない。前進は、どうお答えをいただけるか、その中身による」とした。

スポーツ

×