元大関・雅山の二子山部屋が埼玉・所沢市で土俵開き

スポーツ報知
二子山親方(左から4人目)は土俵開きでお神酒を口にした

 4月1日付で大相撲の藤島部屋から独立した二子山部屋の土俵開きが21日、埼玉・所沢市内で行われた。後援者とともに土俵祭りを見守った二子山親方(元大関・雅山)は、「ホッとしました。今(相撲界は)良い所、悪い所を注目されている。強いだけではダメ。強さは“人づくり”をする中でついてくるものだと思います」と力士として礼儀礼節を徹底させる誓いを新たにした。

 農家の倉庫を改装した稽古場の土俵は、両国国技館などと同じ荒木田土40トンで造成。てっぽう柱は親方自ら用意した真新しいヒノキ。普通なら上がり座敷になるスペースはそのまま残して、「ベンチプレスの器具などはあります。お客さんがお帰りになったときは使いたい」と筋力トレなど鍛錬の場として活用するという。

 壁に掲げられた親方の師匠でもある武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海、現相撲博物館館長)の写真が、“にらみ”をきかせている。

「常に見られているという意識で指導します。そのうち足を運んで見に来るとおっしゃっている。しっかりしないといけない」と親方自身が背筋を伸ばした。

 今回の独立で14年ぶりに名門・二子山部屋が再興したことになる。旧二子山部屋には親方の現役時代、横綱・貴乃花(現親方)を始め番付上位の強敵がひしめいていた。「僕の武蔵川部屋とはライバル同士でした。まさか引き継ぐことになるとは…」と縁を実感。「みなさんの記憶に残っている『二子山』とは違いますが、新しい二子山を覚えて頂けるように頑張らないといけない」と引き締めた。

 6日には所沢市の藤本正人市長にもあいさつ。「市民にも喜んで頂ける強い力士を育てたい」と地域密着も強く意識。力士6人、研修生1人とともに新生・二子山部屋がスタートをきった。

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