稀勢の里、栃ノ心に返り討ちにあう…舞の海さん「出場やめた方がいい」

　６場所連続休場中の横綱・稀勢の里（３１）＝田子ノ浦＝が４日、東京・墨田区の春日野部屋への出稽古を敢行した。３日の横綱審議委員会の稽古総見で、２連敗した関脇・栃ノ心（春日野）に２勝９敗と返り討ちにあった。「押すことだけ考えたが、ハマってくれなかった。自分の力を出し切れず申し訳ない」と首をかしげた。

　春場所を左大胸筋のけがで全休したが、４月の春巡業は途中から参加。若手関取との稽古で「つかんだものがあった」という手応えが覆された。総見では三役以上との申し合いで３勝５敗。課題克服に訪れたこの日も、立ち合いで当たり負けして生命線の左腕も使えず。夏場所（１３日初日・両国国技館）で大関取りに挑む相手に力負けするシーンが多かった。

　稽古を見た相撲解説者の舞の海秀平氏は「出場？　やめたほうがいい。自分のため、お客さんのためにも。歴代横綱の（権威を守る）ためにも…」と“休場のススメ”。総見後に「あれでは無理」と酷評した解説者の北の富士勝昭氏に続く“ダメ出し”が深刻な現状を物語る。稀勢の里は「昔（番付を）上がってきたときを思い出しながらやったけど。やらないとダメだね」と５日以降も出稽古をする意向だ。（網野　大一郎）