稀勢の里、琴奨菊に6勝10敗…夏場所出場可否、10日までに決断

スポーツ報知
琴奨菊(右)に6勝10敗と負け越した稀勢の里

 大相撲で左大胸筋などの負傷で6場所連続休場中の横綱・稀勢の里(31)=田子ノ浦=が8日、千葉・松戸市の佐渡ケ嶽部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に7日に続き参加した。元大関の幕内・琴奨菊(34)=佐渡ケ嶽=との三番稽古は6勝10敗。立ち合いの迫力を欠くなど内容と結果に不満が残った。再起を図る夏場所(13日初日・両国国技館)へ復調アピールどころか、不安は増すばかりだ。

 和製横綱の心配材料だけが増えた。稀勢の里が三番稽古に指名したのは幕内最多で66度対戦経験のある琴奨菊。5日後に迫った初日へ復活の糸口を見つけたかったが、相手の低い立ち合いに後退した。左差しも封じられて16番で6勝10敗と負け越し。もろ差しから寄り切られた4番目には「あ~」と、ため息にも近い声が漏れた。

 7日の連合稽古は取組内容に精彩を欠くも幕内・嘉風(尾車)に9戦全勝。だが、この日は内容だけでなく結果も伴わなかった。胸を合わせた琴奨菊は「自分の出力と横綱の重さがかみ合っただけ」と謙遜も、親方衆の表情は連日険しい。尾車親方(元大関・琴風)が「素早く攻められると腰が伸びて何もできない。もう2週間あれば」と言えば、芝田山親方(元横綱・大乃国)も「仕切りで後ろに尻が出ているから押されてしまう。自分を見失っている」と厳しく指摘した。

 稀勢の里は「また、しっかりやるだけ」と言い残した。出場可否は取組編成会議前日の10日までに判断する見込み。7場所連続休場なら、年6場所制となった1958年以降で貴乃花(元横綱)と並び最長。残された時間は少ない。(小沼 春彦)

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