逸ノ城、自己最高体重225キロで白鵬圧倒!11勝以上で大関取りへ足固め

スポーツ報知
順調な調整を見せた逸ノ城(カメラ・網野 大一郎)

 大相撲夏場所(13日初日・両国国技館)で17場所ぶりの関脇に復帰した逸ノ城(25)=湊=が9日、怪物復活を強烈に印象づけた。この日、東京・墨田区の時津風部屋への出稽古に来た横綱・白鵬(33)=宮城野=との三番稽古で、4勝2敗と自己最高の体重225キロの巨体を生かして同じモンゴル出身の最強横綱を圧倒。目標に掲げる大関昇進の実現の雰囲気が漂ってきた。

 稽古場に響いた声が逸ノ城の充実ぶりを物語っていた。同じ相手と続けて取る三番稽古の開始から白鵬に3連勝。すべて寄り切りで土俵外に運ばれた横綱に思わず「重いー!」と叫ばせた。その後も1勝1敗。最後の6番目は1分以上も組み合い、力任せに出たところを上手投げで逆転されたが内容は優勢。「動けていたから(良かった)」と淡々と語った怪物には復活の空気が充満していた。

 1日の東京場所前恒例の体重測定では前回から10キロ増で自己最高を更新する225キロ。新入幕で13勝して怪物として注目を浴びた14年秋場所は199キロ。その後は200キロ台に突入したが椎間板ヘルニアで16年秋場所を全休。禁酒などで187キロまで減量して筋肉トレに励み肉体改造。昨年秋場所から関取最重量に返り咲いたが、「前とは体の中身が違う」と対戦力士が口をそろえるようになった。

 出世欲が怪物復活を導いた。今年に入り以前はしなかった「大関昇進」を好んで口にするようになった。時津風部屋で連日稽古を重ねる同じモンゴル人の横綱・鶴竜(井筒)からは、前日8日に淡泊な内容の稽古を注意されていた。「力を抜くことがある。そういうのが本場所に出る。上に上がるなら、常に勝つイメージで稽古場でやらないとダメ」。その言葉に発奮したか、幕内・正代(時津風)ら格下の相手には16戦全勝と違いを見せつけて白鵬との三番稽古に臨んでいた。

 春場所は3年ぶりの三役(小結)で9勝。今場所で11勝以上すれば名古屋場所(7月8日初日・愛知県体育館)では目標の大関への挑戦権を得ても不思議ではない。「稽古場なんで、まあ。頑張ります」。優勝のダークホースに挙げる関係者もいる男は、短い言葉に自信を込めて引き揚げた。(網野 大一郎)

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