幕下筆頭の千代の海が勝ち越し 名古屋場所で新十両昇進へ

スポーツ報知
千代の海(奥)は一山本を上手投げでくだし勝ち越しを決めた

 西幕下筆頭の千代の海(25)=九重=が東幕下5枚目・一山本(二所ノ関)を下して勝ち越し。名古屋場所(7月8日初日・ドルフィンズアリーナ)での新十両昇進が濃厚になった。

 「上手投げでしたか。やったことないことをしましたね」。関取の座を引き寄せた白星は得意の突き押しではなく左からの上手投げ。相手に押し込まれながら体を入れ替えて逆転した。「取組前に千代の国関から『胸を借りるつもりでどんなことでもやるつもりでいけ』とアドバイスされました。勝ちたかった。思い切りいきました」と結果にこだわったマインドが白星を呼び寄せた。

 小結・御嶽海(出羽海)、幕内・北勝富士(八角)が同級生。右肘を痛めて16年春場所から3場所連続休場で東幕下13枚目まで上げた番付が東三段目94枚目まで降下。「休んでいるときにテレビをつけると同級生が番付を上げていた。置いていかれると思った」。

 必死の思いではい上がり、部屋の兄弟子が勧めるプロテインなどで体を作り体重は自己最高の140キロ。押されない強さを身につけて「7割の力で立っても押されなくなった。前に落ちなくなって二の矢の攻めができるようになった」とパワーアップして幕下上位に戻ってきた。

 千代の海のしこ名は高知の港町、黒潮町出身のため希望。同じしこ名の部屋の先輩で元十両の岡田茂夫氏に、先代師匠(元横綱・千代の富士)が快諾を取りつけてもらった上で名のっている。由緒あるしこ名の「後継者」は、「まだ(十両は)確定じゃない。あと2番、勝って来場所につなげたい」と気持ちを切らせなかった。

スポーツ

×