白鵬、1差で独走許す栃ノ心といよいよ激突「稽古してないしね。どんなもんか分からないね」

スポーツ報知
寄り切りで正代(右)を下す白鵬

◆大相撲 夏場所11日目 ○白鵬(寄り切り)正代● (23日・両国国技館)

 大関昇進を決定的にした関脇・栃ノ心が、過去7勝24敗の前頭5枚目・琴奨菊を上手投げで下して全勝をキープ。1敗で追走する横綱・白鵬と12日目に直接対決する。白鵬戦は同一取組の連敗記録でワースト4位の25連敗中だが、昇進前に“黒歴史”に終止符を打つ。初の連続優勝に挑む横綱・鶴竜も1敗をキープ。2敗が消え優勝争いはほぼ3人に絞られた。再出場した十両・照ノ富士は5敗6休となり幕下陥落が濃厚となった。

 白鵬が得意の右四つで一方的に正代を寄り切った。低く強すぎた踏み込みのため、右目が相手の右肩に衝突。「いい相撲だったけど角度が悪かった。最初は(目が)見えなくて温かいものが流れ(眼球が)破裂したかと思った」。立ち合いの鋭さを実感する痛みに、勝ち残りの土俵下でもタオルで目を押さえた。「しばらくしたら見えた。良かった」と支度部屋で大きく息を吐いた。

 24日の栃ノ心戦は優勝争いを左右する大一番。その重要度は場所前から認知されていた。3日の横綱審議委員会(横審)の稽古総見(国技館)では御嶽海、遠藤の両小結を相手に17番。だが横審の委員からは「白鵬が栃ノ心に胸を出す姿を見たかった」と不満の声が上がっていた。審判部も白鵬が勝てば優勝争いが混沌(こんとん)とすると読み、当初の予定より1日前倒しして割(対戦)を組んだ。

 栃ノ心と同じ右四つ左上手が最強の形の白鵬は5場所ぶりに実現する対戦に「警戒するところ? すべて。稽古してないしね。どんなもんか分からないね」と難敵の成長ぶりを測りかねている。土俵下から見た印象を聞かれ「強い、力が強い」と続けた。敗れれば第一人者の立場も揺らぐ一戦は絶対に落とせない。(網野 大一郎)

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