白鵬、突然休場で割り返し…横綱の2日連続不戦敗避けるため5日目幕内取組20番中16番を差し替え

スポーツ報知
3日目に引き揚げる白鵬

◆大相撲名古屋場所4日目 ○千代の国(不戦勝)白鵬●(11日・ドルフィンズアリーナ)

 横綱・白鵬が右膝の負傷を理由に休場した。11日、日本相撲協会に診断書を提出したが、時間は午後2時半すぎ。決まっていた5日目の取組を組み直す割り返しが行われ、前頭2枚目・千代の国との結びにかけられた23本の懸賞は取りやめ。異例の時間の発表に名古屋場所が振り回された。場所前に女子プロゴルフの比嘉真美子(24)との婚約を発表した前頭2枚目・勢は全勝の横綱・鶴竜を撃破。全勝は新大関・栃ノ心と関脇・御嶽海だけとなった。

 白鵬が突然、休場した。診断書には「右膝蓋腱(しつがいけん)損傷 右脛骨(けいこつ)結節剥離骨折の疑いで2週間の安静を要する」と明記。師匠の宮城野親方(元幕内・竹葉山)は2日目に支度部屋で床に張られたビニールテープに足を滑らせたという。3日目の夜に痛みを訴え、この日朝には脚が曲がらず名古屋市内の病院に向かった。

 「こらえてギクッとなったみたい。相当腫れていた」と宮城野親方。3連勝スタートで今年初の優勝も狙えただけに「ギリギリまで本人が出たがった。『せっかく良かったのに』と言っていた」(宮城野親方)と残念がったが、問題は休場を伝えたのが午後2時半すぎということだ。

 場所中に休場する場合は、午前11時までに協会に報告するのが通例。それ以降では翌日の取組や懸賞の割り振りに影響する。事実、この日は割り返しがあり、5日目の取組は幕内は20番中16番が差し替わった。阿武松(おうのまつ)審判部長(元関脇・益荒雄)は「いろいろな措置をして出場を模索したのでは」と話した一方で、報告した宮城野親方に「横綱を2日続けて不戦敗にはできない。『(できれば)早く、11時までの連絡を』と審判部から言わせてもらいました」と“苦言”を呈したことも明かした。

 時間があれば懸賞も別の取組に差し替えることができたが、やむなく結びの分は取りやめに。何より事情を知らない観客は、中入りの土俵入り後に「白鵬休場」のアナウンスを聞くとどよめきの声を館内に響かせた。

 今場所の十両以上で3人目となる白鵬の休場は今年春場所以来で通算9度目。今年に入り4場所中3度目。33歳の第一人者の衰えも気になるが、何よりこの日は決断の遅さに場所全体が振り回された。

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