錦木、同い年の遠藤の“世話役”で男気みせる

スポーツ報知
錦木(左)は三番稽古で土俵に上がる遠藤のために永谷園のタオルをきれいにたたむ

 大相撲の夏巡業が23日、静岡・三島市で行われた。朝稽古では幕内・錦木(27)=が、横綱・鶴竜(井筒)に指名されて三番稽古を行った幕内・遠藤(追手風)のために、タオルとたたみ、一番ごとに汗と砂をぬぐう心遣いを見せた。

 鶴竜に遠藤が土俵の外に運ばれ、土俵に転がされるたびに、そっとタオルを差し出して胸や肩についた砂を取り除いた。それが終わると「お茶づけ海苔(のり)」とプリントされたタオルを丁寧に折りたたむしぐさは、どこか“かいがいしい”。最後は鶴竜との稽古を終えた遠藤にぶつかり稽古の胸を出すアフターケアまで…。

 通常なら付け人の仕事だが、土俵まわりに関取衆がひしめく稽古中は立ち入れない。そこで“男気”を見せたのが錦木だった。「助け合うことが大事。砂をとったりとか、自分がやってもらえたらありがたいでしょ」と当たり前と言わんばかりの表情でこたえた。

 よく考えれば2人は1990年生まれの同い年。幕下10枚目付け出しでデビューして一気に角界の人気者になった遠藤と、中学時代は卓球部で本格的な相撲経験は15歳での入門後という錦木。「年は一緒だけど彼は後輩だし…。助けてあげないとね」。蒸し暑い館内での稽古中に、さわやかな友情を垣間見ることができた。

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