栃ノ心「最短」在位5場所で大関陥落「負けた方が弱い 勝った方が強い」

スポーツ報知
貴景勝(右)に押し出しで敗れ、負け越しとなった栃ノ心

◆大相撲春場所千秋楽 ○貴景勝(押し出し)栃ノ心●(24日・エディオンアリーナ大阪)

 カド番の栃ノ心(31)=春日野=は関脇・貴景勝に敗れて負け越し、大関陥落が決まった。

 完敗だった。大関取りを目指す貴景勝との“入れ替え戦”。栃ノ心は、立ち合いの低い当たりで体を起こされると、なすすべなく押し出されて負け越した。「もう、何もできなかった」。在位5場所で大関陥落が決定。1974年夏場所の大受に並び、最短記録(年6場所制の58年以降)で大関から陥落した。

 満身創痍(そうい)だった。関係者によると、負傷していた右膝をかばい、負担の大きくなった左の腰からでん部を痛めた。場所前には痛み止めも処方されたが、周囲には隠し、相撲を取り続けた。「何も言えない。負けた方が弱い。勝った方が強い」。言い訳はせず、言葉を絞り出した。

 69年名古屋場所から、大関は2場所連続負け越しで関脇に落ち、翌場所10勝すれば復帰できると定められた。来場所へ「しっかり休みます」。大関昇進後の5場所は2ケタ勝利もなく、2度の途中休場と苦しい状況。ファンからは「栃ノ心頑張れ!」の声が何度も飛んだ。持ち前のパワーを取り戻し、大関返り咲きへの道を探る。(太田 涼)

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