田中刑事“あぶ刑事”よりも…羽生と“相棒”「世界の舞台で印象残したい」

スポーツ報知
エキシビションでファンの声援に応える田中刑事(中央、左は宇野昌磨、右から宮原知子、坂本花織=カメラ・清水 武)

 フィギュアスケートの平昌五輪代表選考を兼ねた全日本選手権から一夜明けた25日、男女の日本代表選手が都内で取材に応じた。初の五輪出場を決めた「デカ」こと田中刑事(けいじ、23)=倉敷芸術科学大大学院=は「世界の舞台で(印象を)残していきたい」と意欲。同学年で男子66年ぶりの五輪連覇を狙う羽生結弦(23)=ANA=、弟分で17年世界選手権銀メダルの宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=に負けじと「デカ」の名を世界にとどろかせる。

 日本男子は羽生、宇野だけじゃないこと平昌で証明する。田中はジュニア時代から切磋琢磨(せっさたくま)してきた友人の羽生、仲良しの宇野と五輪に挑む。「ここからがスタート。僕のスケートをもっと見てもらい、世界の舞台で(印象を)残していきたい」。五輪出場が決まり「たくさん連絡が来た」というものの、前日は帰宅が遅くなり「まだ全員に返してない。早く『応援ありがとう』って返信したい」とうれしい悲鳴を上げた。

 14年ソチ五輪はテレビ観戦し、同学年の羽生が金メダルに輝いた演技を見た。「本当にすごい。どんな重圧で戦っているんだろうって。(羽生は自分の)想像できない位置にいた」。どんどん先を行く友の姿を見るしかなかったが「同世代に羽生選手がいる分、少しでも追いつきたいと思っていた」。同じリンクに立てる喜びはひとしおだ。

 24日に五輪出場が決定し、新聞の紙面に愛称の「デカ」という文字が並んだ。「(デカと呼ばれることは)全然、大丈夫。でも、ちょっと遊ばれているなって(笑い)。一番は覚えてもらうこと。名前だけじゃなくて、演技も覚えてもらえるようになりたい」と誓った。

 「正義感の強い子になってほしい」と両親から「刑事(けいじ)」と名付けられた。ドラマ「あぶない刑事(でか)」は見たことがないが刑事ドラマは好きで、今では「相棒」の大ファン。俳優の水谷豊と反町隆史がタッグを組んでいるシーズン16がお気に入りだが、自身にも長年の相棒・羽生結弦という心強い存在がいる。初の五輪では相棒とともに「デカ」の名を響かせる。(小林 玲花)

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