長島圭一郎、2度目の現役引退表明 3年前復帰も4大会連続五輪出場絶望で

スポーツ報知
力走する長島

◆スピードスケート平昌五輪代表選考会 第1日(27日・長野市エムウエーブ)

 男女4種目が行われた。男子500メートルでは、池田高出身で、2010年バンクーバー五輪同種目銀メダルの長島圭一郎(35)=リカバリー=は35秒50の14位。昨夏に現役復帰して目指してきた4大会連続の五輪出場が絶望的となった。代表選手の正式発表は30日だが、レース後には「気持ちよくスケートを辞めることができる」と、2度目の競技引退を表明した。

 最後まで“長島節”全開でスケート靴を脱いだ。06年トリノから4大会連続の五輪出場へ照準を合わせ、唯一エントリーした500メートルは35秒50の14位。リンク新の34秒60で優勝した長谷川翼(日本電産サンキョー)らに突き放された。レース後、すがすがしい表情で現れた銀メダリストは、再び現役引退を表明した。

 「35歳で35秒(台)は年相応かな。実力は出し切れたし、これで気持ちよくスケートを辞めることができる。僕が若手の時は、先輩を(好タイムで)ボコボコにして引退に追い込んだ。今度は自分がボコボコにされてスッキリした」

 14年ソチ五輪で6位に終わった後、一度は現役引退を決断。だが、大舞台への闘志が再び燃え上がり、昨夏に競技復帰していた。

 「もう一度、(スケートの)テクニックを追究したり、血尿が出るまで練習もした。やれることはすべてやった。最後まで楽しめました」

 復帰後は、池田高の恩師で帯広三条高・後藤陽監督(44)の門を再びたたき、原点に立ち戻った。見守った後藤監督は「彼らしくスケートをやり切った。気さくだが、高校生にも本気のアドバイスをいつもくれた」と感謝した。同校では、高校生のソフトボール試合に飛び入り参加し、「4番サード長島だ」と言ってホームランを打ったこともある。

 今後については「(国内外でスケートを)教えることがあるかもしれないけど、自分の色々な可能性を考える」と指導者転身に含みを持たせた。豊富な国際経験を生かす2度目の“スタートライン”へ期待を抱かせた。(小沼 春彦)

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