小田卓朗、2冠で初の五輪出場確実「タイムも出て満足です」

スポーツ報知

◆スピードスケート 平昌五輪代表選考会第3日(29日、長野市エムウエーブ)

 男女1500メートルが行われた。男子は、同種目の日本記録保持者・小田卓朗(25)=開発計画研究所=が1分45秒91の国内最高タイムで前日(28日)の1000メートルに続き、2冠を達成。自身初の五輪出場は確実となった。最大男子8、女子10人の平昌五輪代表選手は30日の大会最終日後に正式発表される。

 小田が2日分の喜びを爆発させた。男子1500メートルを、2位に1秒06差をつけるぶっちぎりで制した。男子の五輪最大出場枠は8人。国際大会での優先順位が低い関係で、28日の1000メートルを制しても、代表内定とはならなかった。この日、2冠を達成して晴れて自身初の五輪出場を確実にすると「ため込んでいたものがあったので。レース前は45秒台が出せるような準備をしてきたが、(1500メートルへの)怖さもあった。タイムも出て満足です」と笑顔が絶えなかった。

 1分45秒91は国内最高記録。ゴール直後は両手をド派手に突き上げ、手をたたきながら充実感を味わった。表彰台の真ん中では、記録更新のご褒美として5万円の報奨金ボードを掲げた。

 10月の全日本距離別(長野)でも2冠。3日のW杯カルガリー大会では日本記録(1分43秒38)を樹立した。夏前には「自分の課題は小さいカーブ。氷にロスなく力を伝えるためには、レースでも(体幹が)崩れない体が必要」と痛感し、取り組んだ筋力アップが奏功した。W杯前半戦後には、短距離選手が使用しているスケート靴のブレード(刃)をテストするなど、常に世界で戦うための成長を模索し続けた。

 速さも持久力も必要な1500メートルで、好結果を残し続けていることに大きな価値がある。「この4年間、自分を見つめ直して食事など(普段の)生活から意識を高くスケートに費やしてきた。練習もそうだし、無駄な経験はひとつもなかった。オリンピックで(世界の強豪に)手が届くところまできた。(周囲にも)感謝しかない」と視線を上げた。今、乗りに乗っている25歳が満を持して平昌五輪に乗り込む。(小沼 春彦)

 ◆小田 卓朗(おだ・たくろう)1992年7月13日、浦河町生まれ。25歳。小1からスケートを始め、山形中央高3年の時に全国高校1000メートル優勝。早大4年時にインカレ1000メートルV。2016年12月のW杯アスタナ大会1000メートル3位。17年2月の冬季アジア大会1000メートル優勝。自己ベストは1000メートル1分7秒83、1500メートル1分43秒38でいずれも日本記録。178センチ、71キロ。

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