モーグル堀島行真がW杯初勝利 絶対王者に勝利し平昌五輪に弾み

スポーツ報知

◆W杯スキー モーグル第7戦(20日、カナダ・トランブラン)

 フリースタイルはカナダのトランブランでモーグル第7戦が行われ、男子で昨年の世界選手権2冠の堀島行真(20)=中京大=が93・88で優勝し、W杯初勝利を飾った。予選を3位で通過し、16人による決勝1回目は2位で突破。上位6人の2回目は開幕6連勝のミカエル・キングズベリー(カナダ)を抑えた。キングズベリーは93・27点で2位。絶対王者に今季初めて土をつけ、平昌五輪で日本男子初のメダル獲得へ弾みをつけた。

 堀島が平昌五輪前、最後の実戦で表彰台の真ん中に立った。紅白のスキーウェアに身を包み、昨季からW杯13連勝中だったカナダのキングズベリーを破ってW杯初優勝。地元の大声援を受けた絶対王者を撃破し「やっぱり、うれしい(気持ち)が一番先に来る」と優勝トロフィーを右手で掲げ、あどけなさが残る顔を緩めた。

 決勝1回目で2位に入ると「ここで失敗したら、今までの自分と一緒」と集中力を上げた。決勝2回目は第1エアで大技ダブルフルツイスト(伸身後方1回宙返り2回ひねり)の着地をこらえ、スピードに乗った。「ここのコースはエアの高さがあり、結構高く飛んでもそのままコブに入れる。自分に合っていた」と100点満点で93・88点をたたき出し、気持ち良さそうに歓声を浴びた。直後に滑ったW杯通算48勝の絶対王者は中盤のターンが乱れ、今季初めて優勝を逃した。

 昨年3月の世界選手権。初出場で非五輪種目のデュアルモーグルと合わせて日本男子史上初の2冠を達成し、一躍脚光を浴びた。だが、期待された今季は「周りの期待に応えたいという思いもあった」と序盤から低迷。それでも修正を重ね、11日のW杯で今季初めて決勝2回目に進んだ。「しっかり攻めて高く飛んでゴールする。したいことをできるようになってきた」と本来の攻めの姿勢を取り戻した。

 全日本スキー連盟は22日に平昌五輪代表を発表する。日本男子3人目のW杯制覇を成し遂げた堀島の初の五輪代表入りは確実だ。「準備だったり試合の感じだったり、気持ちの持っていき方をイメージして、残りの時間を大切にして金メダル目指して頑張る」。日本男子初の五輪メダルへ、最高の形で平昌に入る。

 ◆堀島 行真(ほりしま・いくま)1997年12月11日、岐阜・池田町生まれ。20歳。岐阜第一高を経て中京大進学。16年に日本人で初めてFIS(国際スキー連盟)ルーキー・オブ・ザ・イヤーに選出。17年世界選手権モーグル&デュアルモーグル2冠。170センチ、66キロ。

 ◆平昌五輪のモーグル モーグルは「雪のこぶ」の意。平均傾斜28度、標高差110メートル、全長250メートルでコブのあるコースを滑走し、2回のエア(ジャンプ)を実施。ターン技術点(60%)、エア(20%)、タイム(20%)の3要素で採点し得点を競う。予選で決勝進出20人を決定。決勝1回戦で上位12人、同2回戦で6人に絞り込み、上位6人によるスーパーファイナル(3回戦)で順位が決まる。日本勢のメダリストは98年長野大会金、02年ソルトレークシティー大会銅の2つを獲得した女子の里谷多英だけ。

スポーツ

×