伊藤有希、今季最高の2位フィニッシュ「平昌で会心のジャンプができるよう調整したい」

スポーツ報知
2位になりインタビューを受ける伊藤(左)の横でぼう然とする高梨

◆スキーW杯ジャンプ女子蔵王大会 最終日(21日、山形・クラレ蔵王シャンツェ=HS102メートル、K点95メートル)

 今季W杯国内最終戦となる個人第8戦が行われ、17年世界選手権銀メダルの伊藤有希(23)=土屋ホーム=が90・5メートル、91・5メートルの合計215・7点で今季最高の2位となり、6戦ぶり今季2度目の表彰台に上がった。昨季個人総合女王の高梨沙羅(21)=クラレ=も89メートル、91メートルの215・4点の3位につけ、今季初の日本勢W表彰台。個人総合首位のマーレン・ルンビ(ノルウェー)が2回目に最長不倒101メートルで5連勝した。

 悪条件で伊藤の強さが光った。雪と不規則な風が吹く中で90メートル超を2本そろえて今季最高の2位。「まだかみ合っていない部分もあるけど、毎日良くなっている実感はある」。昨年12月のリレハンメル大会以来6戦ぶりの表彰台にホッとした表情を浮かべた。

 勝負勘がさえた。悪天候下では、着地点に新雪が積もってテレマーク姿勢が入れにくくなる。「やりにくいのはみんな一緒だから、逆にアピールすることが大事」。着地の大切さは、師匠の葛西紀明(45)から常日頃教え込まれている。飛型点で全体トップの計104点を稼ぎ、僅差の勝負で優位に立った。課題のアプローチも光が差しつつある。ヤンネ・バータイネン・コーチも、札幌大会(13~14日)後に「1週間前(今月上旬)と完全に別人。全く心配していない」と好調到来を予告していた。

 平昌五輪までW杯はスロベニア・リュブノ大会(27~28日)の2試合。女子史上4人目の通算10勝を飾ったルンビの背中は遠いが、まだ時間はある。「平昌で会心のジャンプができるように調整したい」。本当の勝負は、五輪決勝と決めている。(細野 友司)

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