モーグル堀島、余裕の予選1回目突破「宇野君と金」

スポーツ報知

◆平昌五輪第1日 ▽男女モーグル予選(9日)

 男女モーグルの予選1回目が9日、平昌のフェニックス・スノーパークで行われ、昨季の世界選手権金メダルの堀島行真(20)=中京大=は80・35点で日本人トップの5位。6位の原大智(20)=日大=とそろって12日の決勝に進んだ。女子は村田愛里咲(27)=行学学園教=が74・13点の9位で11日の決勝へ。日本女子の連続決勝進出を7大会に伸ばした。予選は2度行われ、1回目は上位10人が決勝へ。2回目は女子が11日、男子が12日に残る10枠を争う。

 クールな堀島の表情は崩れなかった。初の五輪で「朝から緊張した」という世界選手権王者は、空中技(エア)の難度を下げて臨んだ予選1回目の演技を高い完成度でまとめ、力を残して決勝1回目へ進んだ。「良い流れで終えられたのかなと思う」

 平昌入り後の初練習では大きくとがったコブに苦戦したが、日を追うごとに調子を上げた。昨年4月から半年間、日本チームの合宿に同行した五輪5度出場の上村愛子さんが「一つ一つ気づいたことを自分のものにする才能はすごい」と太鼓判を押す修正能力を生かし、本番に合わせた。

 この日は中京大の同級生であるフィギュアスケートの宇野昌磨が、団体SPで2位に約15点差をつけトップに立った。同じスポーツ科学部だがキャンパスで会ったことはなく、17年2月の冬季アジア大会(帯広)で同じエレベーターに乗っただけ。「宇野君はファンの女性に話しかけられていて声をかけられなかった。僕はその会話を横で聞いていただけです(笑い)」。それでも日ごろから他のスポーツも細かくチェックしている堀島にとっては「2人で両方金メダルを取れたらいい。刺激を受けている」という大きな存在だ。

 W杯6季連続総合王者で14年ソチ五輪銀のミカエル・キングズベリー(25)=カナダ=が86・07点で1位通過。だが1月20日のW杯トランブラン大会では、絶対王者が昨季から続けていた連勝を13で止めた実績がある。12日の決勝では予選で温存したダブルフルツイスト(伸身後方1回宙返り2回ひねり)とコーク1080の超大技2本を組み合わせ、勝負に出る。「(今回は)みんなが期待してくれている。自分以外の人の思いも力に変えて、金メダルを取れるように頑張りたい」。男子モーグル初のメダルが、はっきりと視界に入った。(小林 玲花)

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