帯広から親友の祈り、高木美帆に届け!高校クラスメートがエール

スポーツ報知
高木美帆にエールを送る(左から)中岡柚実さん、佐藤樹璃さん、山崎裕彦さん

 メダルラッシュが期待されるスピードスケートは10日の女子3000メートルで開幕する。日本女子初の金と日本勢メダル1号を目指す高木美帆(23)=日体大助手=は9日、会場の江陵オーバルで調整。練習後に組み合わせ抽選が行われ、同走はオランダのアントワネット・デヨング(22)に決まった。

 初陣を前に、帯広南商高で3年間、同じクラスで過ごした親友の中岡柚実さん(23)、佐藤樹璃さん(23)から“5組の星”にエールが届いた。

 美帆と2人は共学だった高校時代、クラス替えがあった中で3年間とも女子だけ約40人の学級「5組」で過ごした。大会前には手作りの横断幕や黒板に書いたメッセージの前で全員で記念撮影することがクラスの恒例行事だったが、普段はスケート選手ではなく一人の女子高生だった。

 佐藤さん(以下佐)「おちゃめで女の子っぽいところがあった。スケートの話は全然しない。恋バナとか、女子の普通の会話しか記憶にないです」

 中岡さん(以下中)「(大会に)行く時だけは特別。応援の気持ちももちろんだけど、クラスがワーッて一丸となる感じがすごい楽しくて。でも帰ってきたら『美帆~』ってハグするぐらい」

 強烈に覚えているのは学園祭での雄姿だ。美帆が後夜祭のステージ発表でダンスを披露。小1からヒップホップダンスを習っており、韓国の人気ユニット「東方神起」の曲に乗せたキレキレの踊りだった。

 中「指をさして、去っていくダンスがあるんですよ。美帆が全校生徒を指した瞬間、男子も女子も『キャーッ』て盛り上がって。とんでもない騒ぎになったんです。それぐらい、みんな引き込まれてましたね」

 遠征で学校を空ける時間は多かったが、明るい性格で人気者だった。3年の冬。卒業式がスケートの大会と重なった美帆に、サプライズプレゼントを贈った。

 中「出発の前の日に、美帆の卒業式を5組だけでやったんです。ルーム長が卒業証書を読み上げて、みんなで(合唱曲)『旅立ちの日に』を歌って、紙吹雪を飛ばして美帆を泣かせて」

 佐「美帆に内緒で準備しました。教室でしたけど、本当に卒業式を再現したみたいな。卒業証書も手書き。文章も『世界に羽ばたく高木美帆殿。いつまでも私たちは応援します』みたいな感じで自分たちで考えた」

 練習も忙しく遊ぶ時間は限られたが、クリスマスパーティーや一度だけ3人で撮ったプリントシールは忘れられない思い出だ。昨夏も焼き肉に行くなど、卒業後も絆で結ばれる2人は再会の日を心待ちにし、帯広で活躍を願っている。

 佐「ただただ、美帆が滑りたいように滑って満足して帰ってきてほしいですね」

 中「金メダルを取れれば最高ですけど、スッキリした気持ちで終わってくれればいいなって。帰ってきた時は抱きしめてあげたい」

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