羽生、16日SP“金”「取ります!」13時48分、4か月ぶりの舞い見逃すな

スポーツ報知
2大会連続金メダルを目指す羽生は、順調な調整ぶりに爽やかな笑顔を見せた(カメラ・酒井 悠一)

 16日に行われるフィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)の前日練習が15日、サブリンクで行われた。同種目で66年ぶりの五輪連覇がかかる羽生結弦(23)=ANA=は、今大会の公式練習で初めて大技の4回転ループを成功させ、フリー(17日)の構成に入れる可能性も認めた。日本勢の金メダル獲得に期待が高まっているが、羽生は「誰が取ろうが、僕も取ります」と言い切った。

 連覇への強い意志が、羽生の体からみなぎっていた。今大会は日本の金メダルがまだ出ていない。前回のソチ大会は日本唯一の金メダルが羽生だった。練習後、「意識や重圧はあるか?」の問いかけに即答した。「いや。特にないです。誰が取ろうが、僕も取ります」。柔らかな表情で、さらりと言い切った。

 前日までの練習とは、リンクに入った瞬間からスピードが違っていた。右足首を負傷する前の、いつもの羽生のウォーミングアップだった。ハイスピードなスケーティングで体を慣らしていった。開始7分で完璧な4回転トウループを降りた。続いて4回転サルコー。そして次の瞬間、練習会場のサブリンクはざわついた。4回転ループを踏み切った。韓国入り後、初成功の大技。美しい空中姿勢に、流れるような着氷は健在だった。

 右足で踏み切るループはサルコー、トウループより難易度が高い。17日のフリーで構成に組み込むことを視野に入れているのか、との問いに「はい」と大きくうなずいた。またも即答だった。プランA(別表)はループを入れた3種類4本の4回転。プランBはサルコーとトウループの2種類4本の4回転。同種類の3回転以上のジャンプは2種類を2回までしか跳べないため、プランAなら基礎点が上がるだけでなく、得意武器の3回転半(トリプルアクセル)を2本跳ぶことが可能となる。SPの結果を見て、選択することになりそうだ。

 昨年10月のロシア杯以来4か月ぶりの実戦が大一番となるが、経験豊富な羽生は「特に何も感じていない」。とにかく氷の上を滑ることが楽しくてしょうがない。66年ぶり偉業がかかる一戦を翌日に控えたこの日もそうだった。「本当に順調に計画通りできている。リラックスしながらできているので、非常にいい。今は何の心配もなく滑れる幸せが大きい」

 SPは2季ぶり3度目のショパンの「バラード1番」。最終グループのトップで登場する。「なによりも大好きな1番滑走なので、1番滑走を楽しみながら。本当に大好きな曲で滑ることができるので、その楽しさだとか、自分が勝ちたいという気持ちも含めて、しっかりと全部出したい」。19本のジャンプを跳び、前日調整を終えた。終わり間際に4回転トウループからの5連続ジャンプという離れワザで度肝を抜いた。ハイレベルな五輪を制する準備はできている。(高木 恵)

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