小平奈緒、現役続行「また新しい景色を見に行きたい」次の挑戦は「世界新」

スポーツ報知
会見を終え、1000メートルの銀メダルを手に1番ポーズをする小平。念願の金メダルは今日、授与される(カメラ・酒井 悠一)

 18日のスピードスケート女子500メートルで36秒94の五輪新記録で金メダルに輝いた小平奈緒(31)=相沢病院=が19日、メダリスト会見に出席。3月に高速リンクのカナダ・カルガリーで行われる大会に出場し、李相花(韓国)が持つ500メートルの世界記録36秒36に挑戦する意向とともに、現役続行も明言した。今大会は女子1000メートルでも銀メダルを獲得。会見に先立って安倍晋三首相からも電話で祝福を受けた。

 スピードスケート日本女子初の金メダリストとなった小平は、早くも次のターゲットを定めた。メダル授与式は20日にあるため、1000メートルで獲得した銀メダルをかけて臨んだ一夜明け会見。「夢に描いていたものを成し遂げることができた」と笑みを浮かべ、新たな目標を「500メートルの世界記録を塗り替えたいという思いがある。今季、できる限りの挑戦はやってみたい」と語った。

 今季は平昌五輪の金メダル取りと同時に、世界記録にも挑んできた。「そう簡単に破れない」と語る記録は、李相花が13年11月16日に米ソルトレークシティーで出した「36秒36」。小平は標高が高く、タイムが出やすい高地のカルガリーとソルトレークシティーで行われた昨年12月のW杯で1000メートルでは世界記録を更新したが、得意種目の500メートルでは36秒53、36秒54、36秒50と3レースとも届かなかった。

 来月中旬、日程が重なるW杯最終戦(ベラルーシ・ミンスク)を回避し、カルガリーで行われる国際大会「オーバルファイナル」にエントリーした。五輪新記録の36秒94で優勝した最高の仕上がりのままで「気圧とか条件がそろえば、十分狙えるチャンスはある」と再び挑戦したい意向だ。

 競技人生を通じて追い求めるのが“究極の滑り”。金メダルと、低地では世界初の36秒台で「自分の中に残る新しい景色や感覚、言葉で表現できない楽しさを少し感じられた」と一端は見えたが、「また新しい景色を見に行きたい」と満足はしていない。「まだもう少し滑りたい」と現役続行も明言。自らを「求道者」と表現する31歳の戦いは続く。(林 直史)

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