小平奈緒の「5種のタイツ」…疲労回復など目的別に使い分ける秘密兵器

スポーツ報知
小平が宿舎に戻った後、就寝前までに着用するリカバリータイツ

 小平の好成績の理由のひとつとみられるのは、徹底した体調管理。昨年から愛用している「科学的タイツ」の秘密に迫った。(構成・高橋 宏磁)

 小平は移動中、試合後、宿舎に帰った後など状況に応じて「科学的タイツ」を5種類以上も使い分け、疲労回復やパフォーマンス向上に取り組んできた。

 昨年4月から、オーストラリアのメーカーが開発した高機能スポーツウェア「2XU(ツータイムズユー)」社製のタイツを使用。同社によると、着用することで血液の循環を促進。乳酸の排出を促して筋肉修復を促進するとともに、筋力を最大まで発揮する効果がある。小平を担当する同社スポーツマーケティング・エグゼクティブアドバイザーの露木慎吾氏は「小平選手は試合や試合後など状況に応じ5~6タイプを使い分けている」と明かした。

 【主に航空機移動時】フライトソックス(ひざ下から足先まで)を使用。段階着圧が血流を改善してむくみを抑え、エコノミークラス症候群の防止にも効果があるという。

 【練習中やその前後】計4種類のロングタイツなどを、氷上や陸上など練習内容に応じて使い分ける。練習後は「動きながら疲労軽減につなげる中程度圧のタイツ」を着用し、宿舎に戻った後はより着圧が強い「リカバリータイツと呼ばれる、お尻から足の甲までのタイツ」を使用。同社製品の特徴の一つは太もも、ふくらはぎなど部分ごとに圧が異なるタイプを用意していること。その時の体調なども考慮し、自身が最適だと思うものを選ぶ。

 【レース中】ウェアの下にカーフガード(ひざ下から足首まで)を着用。「着氷の瞬間など、レース中の無駄な筋肉の振動を抑えると同時に、最大のパワーを出せる」(露木氏)

 露木氏によると、用途に応じ5種類以上も使い分けをするのは、女子スピードスケートでは小平だけだという。「小平選手は自分の体の状態を、しっかりと自分の言葉で(他人に)伝えられる」。意識の高さがタイツ選びにも表れていた。

 ◆2XU 2005年にオーストラリアのメーカーが開発。同国国立スポーツ研究所が行った実験では、同社製品を使用することで疲労軽減などに効果があることを認めている。プロ野球では阪神の鳥谷敬内野手らが使用中。

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