カーリング女子、4強へ前進!スウェーデンに5センチ差の大逆転で初の5勝目

スポーツ報知
第10Eのスウェーデンのショットと最終形

◆平昌五輪第11日 カーリング女子1次リーグ 日本5―4スウェーデン、カナダ3―8日本(19日、江陵カーリングセンター)

 女子1次リーグで世界ランク6位の日本代表「LS北見」は、14年ソチ五輪金で同1位のカナダに3―8で敗れたが、同五輪銀で今大会首位のスウェーデンに5―4で競り勝った。2―4の第9エンドに追いつくと、不利な先攻の最終第10エンドに1点を奪取。五輪史上最多の5勝目(2敗)を挙げて2位に浮上し、20日にも上位4チームの決勝トーナメント進出が決まる可能性が出てきた。

 緊張感が走った。4―4で迎えた最終第10エンド。不利な先攻の日本は、スキップ・藤沢がラストショットで、絶妙な位置にストーン(石)を運んだ。ハウス(円)内にあった相手の石をはじき出し、自分たちの石を中心近くに残すと「やるべきことはやった」。祈る思いで、相手の最後の1投を待った。結果、互いにハウスの中心近くにストーンが残る。「これくらいだった」(藤沢)。指でわずか5センチほどの差を示した。劇的な大逆転勝利。選手たちはぎゅっと抱き合って喜びを爆発させた。

 うっすら目に涙を浮かべた吉田知は「ほっとした」と声を震わせ、藤沢も「諦めずに戦った」と安どした。午前中は、世界1位のカナダに大敗。日本代表のジェームス・リンド・コーチ(33)に「感情をコントロールしないと」と気合を入れ直され、再びスイッチが入った。反省を生かし、スウェーデン戦は、どんなピンチでも、チームカラーの“笑顔”を貫いた。5人の笑顔は、土壇場でピンチをチャンスに変えた。

 大黒柱の藤沢は「ミスするとふさぎ込んでしまうことがあった」。強いメンタルを手に入れようと、カーリング漬けの生活を意識的に変えた。プロ野球やラグビーなど他のスポーツを積極的に観戦。他競技に触れ、刺激を入れるようにした。日本ハムの栗山英樹監督や、将棋の羽生善治竜王の本を読み、一流の精神力を学んだ。そして、メンタルトレーニングにも着手。心の持ち方にも徐々に変化が生まれ「負けたくない」から「勝ちたい」と前向きに試合を捉えることができるようになると、自然と重圧から解放された。大一番で勝負強さを発揮した。

 日本女子の五輪最多5勝を挙げ、1次リーグ突破が見えた。20日の同4位・英国に勝てば、突破目安の6勝になる。自身3度目の五輪で初の4強に前進しても、本橋は「(5勝は)あまり気にしてない。意識するとカナダ戦のようになる。油断せずに戦うことだけを考える」と冷静さを忘れてはいない。5人娘の快進撃は続く。(小林 玲花)

 ◆20日にも4強決定 日本は20日の英国戦に勝てば、最終戦でスイスに敗れても6勝3敗。6勝到達の可能性を残しているのは日本のほか韓国、スウェーデン、英国、米国、カナダ。英国は3敗しており、日本に敗れれば最高でも5勝4敗となる。残る4チームのうち、カナダと米国がそれぞれ20日に試合を組まれており、どちらかが敗れれば6勝できるチームが日本を含めた4チームに絞られるため、日本の4強入りが決まる。

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