小野塚彩那の母・ゆかりさん「スキーが好き。2歳からあの子は変わらない」

スポーツ報知
決勝1回目、エアを決める小野塚彩那

◆平昌五輪第12日 ▽フリースタイルスキー女子ハーフパイプ(20日・フェニックス・スノーパーク)

 女子ハーフパイプ(HP)決勝が行われ、17年世界選手権金メダルの小野塚彩那(29)=石打丸山ク=は82・20点で5位だった。昨年12月のW杯第2戦の予選で転倒し、脳震とうを起こした技「ライトサイド720」(右回転の2回転)を決めて入賞圏に食い込み、14年ソチ五輪銅メダルの意地を見せた。

 スタンドでは、ソチでも娘の表彰台を見届けた母・ゆかりさん(49)が演技を見つめた。「楽しんで滑ってもらえたらと思っていた。褒めてあげたいです」。母の実家はスキー場近くの旅館。「勉強しなさい」と言ったことのない娘は、冬はスキー漬け、夏は川で魚捕りと、新潟・魚沼の大自然に育まれながら才能を伸ばしてきた。幼少期のエピソードを母が振り返った。

 いまだに忘れられないことがあります。2歳でスキー板を履いてから、しばらくは腰にヒモ(ロープ)を巻いて、私が持って滑らせていた。雨の日も風の日もゲレンデに行きたがるので、リフトに乗ったお客さんに『犬みたいだな。こんな雨の日にかわいそうじゃないか』と言われて。私が滑りたくて連れてきたと思ったんでしょう。彩那が行きたがって、私が連れてこられたのに。「犬って言うから『ワン!』って言ってやれ!」と言ったら、彩那は「ワン!」って。本当に滑るのが楽しそうだった。

 好きなことをやらせる。ただ、2つのことは絶対やらせないと決めていた。そろばんをやりたいと言い出した時も、スキーかそろばん、どちらを選ばせた。文武両道は無理だと。スキーができるなら、勉強はできなくてよいとまで思っていました。私から勉強をしろと言ったことは、一度もないです。気がつけば(勉強を)やっていましたけどね。

 小学生の頃は、夏に川遊びをしていた。(近所の)魚野川で魚を釣るんじゃなくて、ヤスで突くんです。カジカ(小型のハゼのような魚)とか、鮎(アユ)も素早いから普通は友釣りで釣らないといけないんだけど、突いてしまう。1匹の鮎を見つけたら、楽しそうにずっと最後まで追いかけているような子でした。

 スキーもそう。本当に楽しんでいました。ソチで銅メダルを取ったけど、変わったのは周りだけで、あの子は変わらない。私にとっても、子供は子供ですからね。(談)

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