高木美帆、団体追い抜き金で伝説になる!1大会メダルコンプリート&姉・菜那とのきょうだい金

スポーツ報知
金メダル獲得に向け、順調な調整を行い笑顔を見せる高木美帆(カメラ・酒井 悠一)

 スピードスケート女子団体追い抜きは21日に準決勝と決勝が行われる。金メダル最有力の日本は20日、試合会場の江陵オーバルで調整。2位だった19日の1回戦は高木美帆(23)=日体大助手=、高木菜那(25)=日本電産サンキョー=、佐藤綾乃(21)=高崎健康福祉大=で戦ったが、佐藤に代えて菊池彩花(30)=富士急=を入れる布陣も試した。準決勝からは向かい側をスタートする相手と対戦するトーナメント方式で争われ、日本はカナダと当たる。同種目初の金メダルを総力戦でつかみにいく。

 日本の鮮やかな連係を世界に示す時が来た。今季のW杯で世界新を3連発した日本は、1回戦を2位で突破。ただ、21日はW杯とは異なり、勝ち上がれば準決勝と決勝を1日で戦うことになる。試合間隔も1時間半程度と過酷な連戦だ。日本代表の湯田淳監督(45)は「ダメージを考慮し、どういうメンバーで臨むかが1つのポイント」と総力戦で挑むことを示唆した。

 団体追い抜きはサブを含めた4人の中から、試合の20分前まで入れ替えが可能だ。日本は40分間の前日練習で「高木姉妹と佐藤」、「高木姉妹と菊池」の2パターンで先頭交代のタイミングなどを確認した。疲労を見極め、準決勝と決勝で布陣を変える可能性は高いが、連係面に不安はない。3度の世界新のうち、2度が佐藤、1度は菊池。どちらが入っても結果を残せることを証明してきた。

 日本の強みは層の厚さだけではない。連戦で疲労度が増すことで、各選手のパフォーマンスが落ち、リズムや足を合わせることが難しくなっていく。だが、日本は14年ソチ五輪後にナショナルチームを新設し、年間を通して同種目を強化してきた。湯田監督は他国に比べ、合宿で長い時間を過ごしてきた4人に「互いの体の状態を感じ取ってフォローすることが必要だが、普段から一緒にトレーニングをしている4人。変な兆候があれば、察知して修正できる。そこは心配していない」と信頼を寄せる。

 スピードスケート初の1大会2つ目の金メダルが実現すれば、記録ずくめの快挙になる。エースの高木美は1大会「金銀銅」制覇に姉の菜那とのきょうだい金メダル。ともに冬季初だ。最大のライバルのオランダもW杯から完成度を高めてきたが、日本は1回戦でスタートにミスが出ながら、0秒48差に迫った。この種目にかけてきた思いと積み重ねてきた時間を、21日にぶつける。(林 直史)

 ◆五輪でのきょうだいメダル

 きょうだいで五輪に出場した日本人選手はいるが、共に金メダルを獲得したことはない。

 ▼68年メキシコ市 重量挙げフェザー級で三宅兄弟の兄・義信が金、弟・義行が銅。日本で唯一となる同大会、同種目での兄弟メダルを獲得。

 ▼96年アトランタ 中村3兄弟が柔道に出場。長男・佳央は95キロ級7位、次男・行成が65キロ級銀、三男・兼三が71キロ級金。

 ▼04年アテネ 伊調姉妹がレスリングに出場。姉・千春が48キロ級銀、妹・馨が63キロ級金。08年北京大会でも共にメダルを獲得し、姉妹で2大会連続で表彰台に上がった。

 ▼12年ロンドン 田中3きょうだいが体操に出場。長男・和仁、次男・佑典は団体総合で銀。長女・理恵は団体総合8位、個人総合16位。

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