羽生、早くも再始動!4回転→1回転からの4回転!世界初の新技習得へ
フィギュアスケート男子で66年ぶりの五輪連覇を達成した羽生結弦(23)=ANA=が21日、快挙から中3日で次の夢へ向かって再始動した。25日に行われるエキシビションの練習も兼ねて、会場のサブリンクに登場。前人未到の大技「4回転アクセル」の習得へ動き出し「4回転―1回転―4回転」の3連続ジャンプにもトライした。
連覇の偉業達成から中3日の21日午後0時半。羽生がリンクに現れた。2大会連続金メダリストとしての初滑りは、やはり異次元のものだった。
エッジワークなどを確認しながらゆっくりと体を慣らし始めると、開始15分で上着を脱ぎジャンプ練習をスタートさせた。半回転を一度跳んだ後、高さと跳び幅を意識しながら、回転の始動を遅らせたディレードの1回転半を繰り返した。リンクサイドから「高っ!」の声があがるほどのダイナミックなジャンプ。トリプルアクセルには、いつも以上の飛距離があった。
18日の一夜明け会見では、こう話していた。
「スケートをやめたいというのは全然ない。モチベーションは4回転アクセルだけ。取るべきものを取ったし、やるべきこともやった。だから、後は小さな時に抱いていた目標をかなえてあげるだけ」
計14本のアクセルジャンプを敢行。3回転半を成功させても、人さし指を上に向けて高さと軸をイメージするしぐさを見せた。4回転半を意識したものとみられる。さらに練習の終盤、4回転トウループ―1回転ループに続いて跳ぼうとしたのは4回転トウループだった。3連続ジャンプの最後に4回転を入れるのは国際スケート連盟(ISU)公認大会で誰も成功していない大技で、羽生も昨年4月の世界選手権のエキシビションでトライしている。最後の4回転は2本連続で2回転になってガックリと肩を落としたが、4回転から入り4回転で締める3連続ジャンプの習得も目指していくことになりそうだ。
国際オリンピック委員会(IOC)が商標の扱いに厳しいため、本番中はホテルの部屋で留守番をしていた「プーさん」のティッシュケースもリンクサイドに“復帰”した。ジスラン・ブリアン・コーチと会話を交わし爆笑する場面もあった。ジャンプミスには「フハー」「ヒャー」と声をあげるなど、終始リラックスムードの40分間。4歳でスケートを始めた時からの夢の大技習得へ、絶対王者が再びスタートを切った。(高木 恵)
◆羽生の「世界初」
▽SP100点超え 14年ソチ五輪で101・45点。
▽フリー200点超え 15年11月NHK杯で216・07点。
▽合計300点超え 15年11月NHK杯で322・40点。
▽ファイナル4連覇 16年12月GPファイナルで男女通じて史上初。
▽演技後半の4回転3本 17年4月の国別対抗戦フリーで、後半にサルコーとトウループ(2本、1本はコンビネーション)の3本を成功。