坂本花織、五輪の魔物に勝った!自己ベスト更新の5位

スポーツ報知
SPの演技で自己最高点をマークしガッツポーズする坂本花織(カメラ・酒井 悠一)

◆平昌五輪第13日 ▽フィギュアスケート女子SP(21日、江陵アイスアリーナ)

 女子ショートプログラム(SP)は宮原知子(19)=関大=が75・94点で4位、坂本花織(17)=シスメックス=が73・18点で5位。男子で連覇した羽生結弦(23)=ANA=の「日本魂」に力をもらい、そろって自己ベストを更新してメダル圏内につけた。アリーナ・ザギトワ(15)=OAR=が82・92点の世界最高で首位に立ち、世界選手権連覇中のエフゲニア・メドベージェワ(18)=OAR=は自己最高の81・61点で2位。フリーは23日に行われる。

 自らを「ガッツ系」と称する坂本花織(17)=シスメックス=が見せた、渾(こん)身のガッツポーズだった。ノーミスの演技で、今季国際スケート連盟(ISU)公認大会4戦連続で自己ベストを更新。「オリンピックは魔物がいるってよく聞く。とりあえず、その魔物には勝ったかな」。伸び盛りの17歳は笑顔で振り返った。

 演技前に中野園子コーチから「できるよね」と聞かれ、「できます」と即答した。「月光」の静かな曲に乗って滑り出すと、わずかにつまずいた。「うふ」。心の中で思わずニヤけた。「ちょっとそこで気持ちが楽になった」。緊張がほぐれ、持ち味のダイナミックなジャンプが出せた。冒頭のフリップ―トウループは1・40点の出来栄え点を引き出した。

 昨年末の全日本選手権で2位に入り、翌日は新聞やテレビのニュースで「新星」と騒がれた。「すごかった。フィーバーフィーバー(笑い)」。環境の変化にも浮かれることはなかった。辛口の中野コーチが「よく頑張っている」とたたえるほどの練習を続け、1月の四大陸選手権では優勝した。

 フィギュアスケーターについて回るのが体重コントロール。カレーライスのライス抜きを試し、お雑煮の餅は1個を8個に刻んで食べた気になる作戦も行った。オフから栄養士のもとで食事管理を徹底。「甘いものが食べたいな」と思った時は手作りのお菓子を食べた。「週に1回だけ、ご褒美で手作りなら食べていいよって言われている」。砂糖の量を調整し、チーズケーキやガトーショコラを作る。同門の三原舞依にも好評だ。

 ソチ五輪の浅田真央さん、羽生結弦の演技に心を奪われた。本気で五輪を目指すきっかけになったのは16年2月のユース五輪。6位に終わり「本当の五輪でリベンジしたい」と誓った。「ここまで勢いで来られた。フリーもそのまま突っ走って行きたい」。表彰台への5・69点差を、全力で追う。(高木 恵)

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